2003年12月10日(水)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は九日放送(八日収録)のCS放送・朝日ニュースターの「各党はいま」に出演し、イラク問題、年金問題などについて質問に答えました。インタビュアーは、梶本章・朝日新聞論説委員。
このなかで志位氏は、米軍などへの攻撃が相次ぐイラクの現状について問われ、「三つの要素がある」として、(1)アルカイダなど国際テログループによるテロ(2)フセイン残党による破壊活動にくわえ(3)米英占領軍への怒りからイラク国民が武装勢力を支援する事態が広がっている−と指摘しました。
イラク国民の動向について、CIAが米大統領に「反乱者たちを支援するイラク人の数が増大している」と報告したことを紹介し、「その根本に米英による無法な侵略戦争があり、米英軍の不法な占領支配がある。これが広範なイラク国民の憎しみと怒りをよびおこし、テロと暴力の土壌をつくってしまっている」と指摘。「現在の泥沼化を打開するには、イラク国民が主人公となった国づくりを望んでいる住民と、アルカイダなどテログループとを切り離し、彼らを孤立させる政治プロセスが必要だ。そのために米英軍による不法な占領支配から名実ともに国連中心の枠組みに切り替え、イラク国民に主権を返還することが不可欠だ」と強調しました。
志位氏は、自衛隊を派兵すれば、占領軍の一部となり自衛隊も攻撃の標的になる、イラクの事態も泥沼化がすすむ一方でなんの解決にもならない、と力説。「日本がやるべきは、道理にたった外交努力であり、非軍事の民生支援だ」とのべ、自衛隊派兵の中止を求めました。
志位氏は、年金問題をめぐる政府・与党の動きについて、「政府・与党の協議はごたごたしているが、はっきりしているのは年金給付を50%に引き下げること」だと指摘。当面の焦点となっているのは基礎年金の国庫負担を三分の一から二分の一に引き上げることなのに、「五年間かけて段階的に引き上げる」と先送りしており、そのための財源も示すことができないでいるとし、これを「消費税増税に財源を求める口実にしようとしているのがみえみえだ」と批判しました。