2003年12月11日(木)「しんぶん赤旗」
福田康夫官房長官は十日午前の記者会見で、イラク特措法にもとづき派兵された自衛隊の活動について、「(米兵などが)通常携行しているものであれば(輸送しても)よろしいのではないか」と述べ、小銃などで武装した兵員の輸送は可能との認識を示しました。
小泉純一郎首相は九日の記者会見で、武器・弾薬の輸送は「行わない」と言明していましたが、福田長官の発言は、首相の言明を“修正”したものです。
首相も十日夜、「復興人道支援のため自衛隊が行く基本計画ですから。その中で判断していただければいい」と記者団に語り、追認しました。
実際に自衛隊が武装米兵を運ぶのかどうかについて、福田長官は「ニーズがあるかどうかだ。可能性はないわけではない」とのべました。輸送対象から除外される武器・弾薬の定義についても、福田長官は「常識的に考えてください」と語るだけで、運用面でのあいまいさを印象付けました。
石破茂防衛庁長官も九日の記者会見で、武装兵員の輸送について「状況をみて対応する」とのべ、否定していませんでした。