2003年12月14日(日)「しんぶん赤旗」
【メキシコ市12日菅原啓】イラクに派兵している中米四カ国では、駐留基地への攻撃が相次ぐ中で、撤退を望む世論が高まっています。
中米のホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、ドミニカ共和国の軍隊は、治安維持、人道支援などの目的で、九月初めから、イラク南部のナジャフ、ディワニヤを中心に活動してきました。今月に入り、ホンジュラス、ドミニカ共和国両国軍の基地が四日、エルサルバドル軍の基地が十日、迫撃砲などで相次いで攻撃を受けています。
派遣部隊への攻撃の強まりは、各国世論に衝撃を与えています。
ドミニカ共和国では、メヒア政権が派遣部隊の早期撤退の可能性をのべはじめました。これに対して十一日、メヒア大統領と会談したノリエガ米国務次官補は、米国との約束である「一年間の駐留」を実行するよう改めて要求したと伝えられています。
同国では、米国や国際通貨基金(IMF)による増税・緊縮財政政策押し付けへの抗議行動とともに、イラクへの派兵反対の世論が強まっています。来年の大統領選挙で再選をねらうメヒア政権は、米国の圧力と国内世論のはざまで苦しい選択を迫られています。
ニカラグアで十一日に発表された世論調査によると、83%が自国軍の駐留継続に「反対」と答えています。ニカラグアの派兵はブッシュ米政権からの圧力を受けての決定でしたが、米国がニカラグアの国内問題に「干渉している」とする意見は66%に達しています。