2003年12月14日(日)「しんぶん赤旗」
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【南京13日鎌塚由美】日本軍による一九三七年の南京大虐殺から六十六年目にあたる十三日、南京市内の「中国侵略日本軍南京大虐殺受難同胞記念館」で「国際平和の日」の追悼式典が開かれ、事件の生存者やその家族、学生、日本や韓国からの市民など約三千人が参加しました。
会場の舞台の上には、「殺害された同胞を追悼し、歴史の教訓を銘記して世界平和を守り、ともに発展を推し進めよう」とのスローガンが掲げられました。午前十時、開会とともにサイレンが大きく鳴り響き、参加者はいっせいに黙とうをささげました。
主催者を代表してあいさつした中国共産党の任彦申・江蘇省副書記は、青少年に対する歴史教育の大切さを強調。「日本の右翼の歴史改ざんを許さず、日本の青少年にも南京大虐殺の事実を知らせることは重要だ。中日両国民の友好はアジアのみならず世界の共同、発展にも大きな意義を持つ」と語りました。
南京大虐殺と同地ゆかりの花・紫金草をテーマに平和のうたごえ活動に取り組む紫金草合唱団も壇上にあがりました。日本から駆けつけた四十九人の団員は、南京の小学生とともに力強く合唱。「平和の花、紫金草」の歌が会場にこだましました。
事件生存者の李秀英さん(86)は日本軍に銃剣で三十七カ所も刺され奇跡的に助かった一人。家族に車いすを押されながら祭壇に菊の花をささげました。
一市民として参加した楊新風さん(57)は、現在も米軍の占領が続くイラクについて「戦争はひどい」と語気を強め、「戦争に参加してはいけない。殺された私たちの同胞のことを忘れてはいけない。自衛隊を派兵すべきではない」と涙を浮かべて語りました。