2003年12月19日(金)「しんぶん赤旗」
福田康夫官房長官は十八日の記者会見で、十九日に政府として導入を決定する「ミサイル防衛」に関連して、武器輸出を事実上、全面禁止した「武器輸出三原則」の見直しを検討する考えを示しました。
同長官は「技術研究開発の結果、わが国で開発したノウハウや製品・部品があるのに、それを武器輸出三原則で交換や提供ができないということがいいのかという観点からの議論はある」とした上で、「それをどうするのか今後の問題だ」とのべました。
これについて小泉純一郎首相も同日、「この問題も以前から議論されており、引き続き検討する」とのべました。
日米両政府は一九九九年から、「ミサイル防衛」の一環として、イージス艦に配備する海上配備型迎撃ミサイルの日米共同技術研究を進めています。米国は将来、日本との共同開発・生産を求めていますが、その場合、「武器輸出三原則」は大きな障害となります。このため、共同研究に参入している軍需企業や自民党の国防族議員などから、見直しを求める声が相次いでいました。
武器輸出三原則 一九六七年に佐藤首相が、(1)共産圏諸国(2)国連決議による武器禁輸対象国(3)国際紛争当事国―への武器輸出を認めないと表明。その後、七六年に三木内閣が「三原則以外の地域は、憲法の精神にのっとって、武器の輸出を慎む」との政府統一見解を出し、事実上、全面禁止に踏みきりました。