日本共産党

2003年12月20日(土)「しんぶん赤旗」

「ミサイル防衛」の中止求める

佐々木政策委員長代理が談話


 日本共産党の佐々木憲昭政策委員長代理は十九日、政府が閣議決定した「弾道ミサイル防衛システム」導入について次の談話を発表しました。

 一、小泉内閣は十九日、「弾道ミサイル防衛(BMD)システム」を導入することを閣議決定した。「ミサイル防衛」は、相手のミサイル攻撃を無力化する態勢をつくることで、アメリカの核戦略の優位を絶対的なものとし、報復の心配がなく先制攻撃を可能にしようとする危険きわまりないブッシュ米政権の宇宙支配計画である。中国やロシアなどが強く反対しているのも、世界的な軍事緊張を高め、軍拡競争を激しくする危険があるからである。日本が、「ミサイル防衛」に参加することは、地球規模の米核戦略に日本を組み込む事態をまねき、アジア・太平洋地域の国々との緊張を激化させることになる。

 一、しかも、このシステムを導入すれば、米軍の通信・指揮・情報との一元化はもとより、「わが国の防衛」とは無縁の米本土、グアム、ハワイなどへ向かうミサイルへの共同対処など、憲法を蹂躙(じゅうりん)した「集団的自衛権の行使」につながることになる。さらに、日本の「ミサイル防衛」は、巨額の財政支出を余儀なくされる。今回、政府が導入しようとしているイージス艦発射システムとパトリオット・ミサイル(PAC3)は、当面でも一兆円かかる。九八年以来、日米共同技術研究している「次世代ミサイル防衛」を含めると、将来的には六兆円という試算もされているほどである。

 日本共産党は、「ミサイル防衛」戦略に反対し、日本が導入することを中止するよう強く求める。


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