2003年12月24日(水)「しんぶん赤旗」
政府が国民世論を無視して自衛隊のイラク派兵の動きを強めるなか、「12・23ピース・アクションon習志野」が二十三日、自衛隊習志野基地近くの千葉県船橋市の薬円台公園で開かれました。会場は千二百人を超す「自衛隊を戦場に送るな」の声であふれ、集会後、参加者は同基地前をパレードしました。
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日本共産党の志位和夫委員長が情勢報告をかねてあいさつし、パレードに参加。小池晃参院議員も参加しました。
主催は「有事法制に反対する千葉県センター」など四団体。主催者あいさつにたった守川幸男・自由法曹団千葉支部幹事長は「派兵をやめさせるため力をつくそう」と訴え、航空安全会議の佐藤隆三副議長と、千葉労連青年部の斉藤祥幹事が決意を表明しました。
志位委員長は、戦後初めてとなる戦地への自衛隊派兵について、「日本の進路を大きく変える、憲法じゅうりんの暴挙だ」と批判。派兵部隊として陸上自衛隊五百五十人のうち、関東の東部方面隊から百人が動員される計画が伝えられているとし、なかでも「習志野第一空てい団が派兵される危険が強まっている」と指摘しました。
自衛隊員を恋人にもつ女性から、東京・日比谷で開かれた12・10集会に寄せられた手紙を紹介し、「こういう思いの家族がたくさんいることを小泉首相はどう考えるのか。アメリカのために日本の若者の血を流させてはなりません」と訴え、参加者は「そうだ」の声と拍手でこたえました。
派兵の理由として小泉首相が「人道復興支援」と主張していることに対し、自衛隊派兵はイラクの泥沼化の元凶をつくりだしている米英占領軍への「支援、合流である」と指摘。公明党の神崎武法代表が、派兵予定地のイラク・サマワへのわずか三時間半の訪問で「治安は比較的安定している」とのべたことにふれ、「事実をねじまげ、派兵の後押しをする許せない態度だ」と批判しました。
また、「国または国に準ずる者による組織的・計画的な攻撃」への反撃は「戦闘」になるが、テロやゲリラによる襲撃は「戦闘」ではないという政府の言い分に対して、「その両者をどうやって見分けるというのか。まったくの詭弁(きべん)だ」と指摘。「攻撃があれば反撃し、殺し、殺されるという事態になる。これが憲法破りでなく何なのか」と批判しました。
志位氏は、日本に求められているのは「占領軍支援のための派兵をしないことであり、憲法九条を持つ国らしい本当の外交努力と非軍事の人道支援こそ求められている」と訴え、「日本列島のすみずみで、憲法守れ、派兵するなの声をあげ、行動に踏み出そう」と呼びかけると、大きな拍手がわきました。
派兵反対を訴える駅前の宣伝で集会を知り、一人で参加した黒沢正樹さん(28)=フリーター、船橋市=は「自衛隊が行っても人道支援ができるという保証はない。米英占領軍の大義なき戦争に加担するようなことは絶対にやめてほしい」と話していました。
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「神戸港平和のためのクリスマス闘争市民集会」(同実行委員会主催)が二十二日夜、神戸市中央区のメリケンパークで開かれ、約五百人が参加しました。「平和な神戸港を」と一九六一年から続けられ、今年で四十三回目になります。
安保破棄・諸要求貫徹兵庫県実行委員会の松原幸作会長が「米英軍の不法な軍事占領を支援するイラクへの自衛隊派兵は断じて許せません。国民世論を喚起して、派兵反対の声を高めよう」とあいさつしました。
日本共産党の大沢たつみ参院議員が駆けつけ、全国二百一の地方議会が派兵反対の声をあげたことを紹介、「憲法守れの草の根運動を年末年始、いっそう強めましょう」とよびかけました。
兵庫県労働組合総連合の森岡時男議長代行は非核「神戸方式」を守り抜く決意をのべ、神戸港湾関係労働組合共闘会議の森奥鎮男事務局長が基調報告を行いました。
スローガンと集会宣言を拍手で確認した後、「占領軍はイラクから撤退せよ」「日本を戦争する国にするな」などと唱和しながら、イルミネーションで飾られた神戸の街をデモ行進しました。
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愛知県内の女性団体や女性たちでつくる「有事三法に反対し憲法九条を守る愛知女性の会」は二十三日、名古屋市内で「12・23イラク派兵を許しません。平和を願う女性の学習とパレード」をおこない、約百五十人が参加しました。
アメリカ言いなりの小泉内閣が、憲法をふみにじり自衛隊をイラクへ派兵しようとしていることにたいして女性の会は、「イラクに自衛隊をおくるな」「憲法九条をまもれ」の声と運動を大きく広げようと取り組んでいます。
学習会では講師に、アフガニスタンやイラクを取材したジャーナリストの久保田弘信さんを招き、久保田さんが制作・撮影した現状を伝えるビデオやスライド写真に見入り、現地の生々しい話などに聞き入りました。
学習会のあとパレード。日本共産党の八田ひろ子参院議員も参加し、「愛する人を戦争に送るな」と街行く人たちに訴えました。
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長野県松本市内で二十三日、自衛隊のイラク派兵反対緊急県民集会が開かれ、千人が「自衛隊をイラクに送るな」とシュプレヒコールで市民に訴えました。日本共産党長野県委員会や有事法制反対県連絡会などが呼びかけた実行委員会主催です。
集会では、日本共産党の山口のりひさ党県書記長と有事法制反対県連絡会の木継勇二さん(県労連副議長)、県内の運動と市町村議会の派遣中止・反対意見書の広がりなど紹介して「もっと運動を広げよう」と呼びかけました。
安曇野ちひろ美術館の松本猛さん、作家の小宮山量平さん、無言館の窪島誠一郎さんがメッセージを寄せ、自衛隊の息子をもつ県内の母親から、「何としても派兵をやめさせたい」との訴えが寄せられました。