2003年12月26日(金)「しんぶん赤旗」
二十四日に閣議で決定された来年度予算政府案について、「今後三年間で新たに年間三兆円の負担増を国民に押しつけることが盛り込まれました」と指摘しました(二十五日付3面)。この点で質問がありましたのでお答えします。
年間(平年度ベース)で三兆円という負担増の額は、小泉首相の総裁任期とされる三年後の〇六年度の時点で、どうなるかを見たものです。
具体的には、与党の自民、公明両党が合意した年金改悪によって、厚生年金保険料が毎年0・354%ずつ引き上げられます。そのため、初年度(〇四年度)の負担増に、二年目、三年目の負担増が上乗せされていくために、共済年金等の引き上げを含めると単年度では、約七千億円でも、三年後には、負担は約二兆一千億円に膨れ上がります。
国民年金保険料も、毎年月額六百円の引き上げと仮定すると、年間約千六百億円の負担増。〇五年度から引き上げられるため、新たに加わる負担増は約三千二百億円となります。
また、〇四年度は、年金給付が物価スライドで0・2%−0・3%カットされることが決まっており、この影響は千二百億円です。こうした年金改悪による負担増は、約二・五兆円です。
さらに、年金課税の強化や住民税均等割の「改正」、生活保護の「改正」をあわせると約〇・五兆円となります。
その結果、来年度予算案に盛り込まれた国民負担増は、三年後の〇六年度に年間約三兆円になる計算です。
小泉内閣になって、すでに法律で決まっている負担増が年間約四兆円。これに、新たな負担増を加えれば、三年後にはその負担の額は、年間約七兆円に達することになります。