2003年12月27日(土)「しんぶん赤旗」
共働き世帯の年金給付水準は現役世代の平均所得の39%、男子単身者は36%──。厚生労働省は二十六日、政府・与党の年金改悪案に基づく、世帯類型別の年金給付水準(二〇二五年度時点)の試算を発表しました。
政府・与党は「50%の給付水準を確保」としていますが、これは夫のみ四十年間就労(妻は専業主婦)というモデル世帯のケースにすぎません。
今回の試算では、四十年間共働きの世帯は、現在46・7%ですが、これが二〇二五年度には39・4%と三割台に下がります。男子単身者(四十年間フルタイムで就労)は42・7%から36・0%、女子単身者(同)は53・3%から45・0%に、それぞれ下がります。
この結果、改悪による給付削減額は、男子単身者の場合で月三万二千円(年間約三十八万円)に及びます。共働き世帯で月五万八千円(二人分、年間約七十万円)の削減となります。
夫は四十年間就労、妻は結婚・出産で一時離職し、子育て後にフルタイムで再就職した世帯は、50・0%から42・2%に減少。妻がパートタイムで再就職した世帯は、56・3%から45・2%に下がります。妻が離職後、専業主婦になった世帯は、56・3%から47・5%に下がります。
政府・与党の年金改悪案は、厚生年金の保険料を現行13・58%(年収比、労使で折半)から毎年引き上げ、18・35%を上限とします。この引き上げに伴う給付水準の低下を50%で止めるといっているものですが、今回の試算は多くの世帯が40%、30%台となることを示しています。