日本共産党

2003年12月29日(月)「しんぶん赤旗」

「ミサイル防衛」経費

8年間で8千億〜1兆円

際限なく膨らむ恐れ

米の先制攻撃戦略に加担


 政府が決めた「ミサイル防衛」導入の経費について、防衛庁が二〇〇四年度からの八年間で八千億円から一兆円を見込んでいることが分かりました。ブッシュ米政権が開発・配備を進めている「ミサイル防衛」は、敵対勢力のミサイル攻撃を心配せず、核使用を含めた先制攻撃を可能にするもの。日本は同システムに組み込まれ、巨費を投じていくことになります。


写真
米海軍のイージス艦から発射される迎撃ミサイルSM3(米国防総省のホームページから)

 導入するのは(1)海上自衛隊のイージス艦から迎撃ミサイル「スタンダード・ミサイル」(SM3)を発射するシステム(2)航空自衛隊の高射群から迎撃ミサイル「改良型パトリオット・ミサイル」(PAC3)を発射するシステム―です。

 防衛庁は当面の構想として、二〇一一年度末までに四隻のイージス艦と四つの高射群に配備する計画です。十九日の「ミサイル防衛」導入の閣議決定を受け、二〇〇四年度政府予算案では、イージス艦一隻分と一高射群分の経費(九百二十二億円)や、次世代迎撃ミサイルの日米共同技術研究費(七十七億円)などが盛り込まれました。

 同庁は二〇〇四年度の予算を含め、二〇一一年度末までの配備に必要なミサイルや艦船改修などの装備費として、四千億円から六千億円を見積もっています。その間にかかる維持整備費として二千億円程度、さらに、日米共同技術研究費に二千億円程度を見込み、合計で八千億円から一兆円になるとしています。

 しかも、四隻のイージス艦と四つの高射群への配備は、あくまで当面の構想。日米が共同技術研究をしている次世代迎撃ミサイルの開発・配備や、米国が開発中の新システムの導入に踏み込んでいけば、経費は際限なく膨らむことになります。

 米国のシンクタンク・ランド研究所は、日本の「ミサイル防衛」導入経費について最大で六兆円と試算しています。


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