2004年1月3日(土)「しんぶん赤旗」
「小泉首相の靖国参拝に抗議する」「イラクへの自衛隊派兵の中止を」「首相は国民の声を聞け」──。平和遺族会全国連絡会などは二日、元日に靖国神社を参拝した小泉首相に抗議する声明を出すとともに、抗議集会を東京・永田町の首相官邸前で開きました。約七十人の参加者は「自衛隊のイラク派兵で新たな英霊をつくるな!」などのプラカードや横断幕を手に、「憲法の政教分離原則を踏みにじる暴挙」「イラクに武装した自衛隊を送り出すことをにらんだもの」と怒りをぶつけ、シュプレヒコールを響かせました。
同連絡会の西川重則事務局長は「四度目の靖国神社参拝に強く抗議する。なぜ元日に参拝するのか」と訴え。戦争に駆り立て侵略戦争の精神的支柱だった靖国神社を参拝することは憲法に違反する行為で、首相の靖国神社参拝は「国のための戦死」を美化するものだと批判しました。
集会では、日本キリスト教協議会、日本山妙法寺、不戦兵士・市民の会の宗教者や戦争遺族らがマイクを握り、小泉首相の抜き打ち参拝に「自衛隊員がイラクで戦死したら靖国神社にまつることで、遺族が納得すると思っているのか」と怒りを込めて抗議の意思を示しました。
「平和を願い戦争に反対する戦没者遺族の会」世話人の島田初代さんは「父は終戦の年の十二月に戦死した。あの戦争が終わったあとで、なぜ戦死者がでるのかと若い人から聞かれる。お国のため、英霊と靖国神社にまつられても、遺族としていたたまれない思いをずっと抱いてきた。父やあの戦争の犠牲者の遺言が、日本の憲法だと思う。小泉首相、ふたたび戦争遺族をださないで」と訴えました。