2004年1月4日(日)「しんぶん赤旗」
【ベルリン=片岡正明】ソフィアからの報道によると、イラクで兵士多数が死傷したブルガリアで、約三十人の兵士がイラク派兵を拒否し、波紋を広めています。
ブルガリア軍のコレフ参謀総長は二日、二月中旬に交代が予定されているイラク派兵部隊の兵士約五百人のうち「二十五人から三十人が家族の要請で出兵を拒否した」と語りました。イラクには昨年九月から兵士四百八十人が駐留しています。
イラク南部のカルバラで昨年十二月二十七日に起きた複数の自動車爆弾攻撃で計十九人が死亡、二百人が負傷した事件で、ブルガリア部隊は兵士五人が死亡、六十四人が負傷しました。
パルバノフ大統領は「イラクには本当の戦争がある」と事態を重視。一部の新聞には「兵士は一日六十ドルのために命を売るのか」という批判も出ていました。
ブルガリアの派兵部隊は志願兵で、特別給与が支払われますが、「命には代えられない」との兵士の出兵拒否は世論にも影響しそうです。