2004年1月5日(月)「しんぶん赤旗」
四日放送のNHK番組「日曜討論」に各党代表が出演し、イラク派兵、年金問題などをテーマに山本孝解説委員の質問に答えました。このなかで、政府が決めた「ミサイル防衛」システムの導入に伴う武器輸出三原則の見直しについて、自民、公明、民主の各党は、緩和に向けて見直しをすべきとの考えを示しました。
出演したのは、日本共産党の志位和夫委員長のほか、自民党の安倍晋三幹事長、民主党の菅直人代表、公明党の神崎武法代表、社民党の福島瑞穂党首。
武器輸出三原則とは、事実上、日本政府が海外への武器輸出を全面禁止した原則のことです。政府は一九六七年に、共産圏諸国など三つの分野の国々への武器輸出を認めないことを表明。七六年には、これ以外の国々への武器輸出も慎むなどとする政府見解を出しています。
安倍氏は「他国との共同作業で新しい防衛システム、新しい武器をつくっていくなかにあって、(武器輸出)三原則が今までの解釈で支障が出てくるのであれば、見直すことが政治家の責任だ」と主張。神崎氏も「ミサイル防衛構想の開発・配備の段階になると、(日米の)共同研究の成果を具体化する必要がある。その限りにおいて、三原則の例外をつくることは、検討の余地がある」とのべました。
菅氏も「ミサイル防衛については、必要性は感じている」と主張。「そういうものを進める上で見直しが必要か、検討する余地はある」とのべました。
志位氏は、武器輸出三原則の緩和の動きについて、「ミサイル防衛構想に日本も参加すると、そのためには日米が共同して武器の開発をする、それに妨げになるから、この際とりはずしてしまおうということを、三菱重工業など日本の軍需産業の代表が、かなり露骨に言うなかで起こっていること」と指摘。
「ミサイル防衛」のねらいについて「アメリカが地球規模ではりめぐらして、相手の攻撃力を無力にすることで、アメリカが、いつでもどこでも核攻撃を自由にできる仕組みづくり」と批判。「これに日本が参加するために武器輸出も自由にしようと(するものであり)、とんでもない間違った道だ」とのべました。