2004年1月7日(水)「しんぶん赤旗」
【ワシントン=浜谷浩司】米本土安全保障省は五日、テロリストの入国阻止を主な目的として、査証(ビザ)を所持した外国人に対し、米国入国時に指紋採取と写真撮影を実施する新たな出入国管理制度を開始しました。
年間二千四百万人にのぼる外国人入国者が対象。入国審査時に、両手人差し指の指紋をスキャナーで読み取り、デジカメで顔写真を撮影。パスポートやビザと照合して入国許可に使うとともに、データベース化して、不法滞在や犯罪の捜査に利用します。
当面、全米百十五の空港と十四の港で実施。今後、メキシコやカナダからの陸路での入国にも適用を拡大します。
出国時にも、セルフサービスの端末機で、渡航文書の確認と指紋読み取りによる本人確認を行うことにしており、同日から一部で試験的に開始しました。
新制度は入国ビザ所持者が対象。日本人の場合、観光目的での九十日以内の滞在にはビザが免除されており、新制度は適用されません。同様のビザ免除措置は、欧州を中心に二十七カ国に適用されています。
一方、ビザ免除措置の対象外であるブラジルは、米国の新措置を人権侵害だとして強く反発。連邦判事の決定で、米国人入国者を対象に指紋採取と写真撮影を実施する対抗措置を二日から実施しています。