日本共産党

2004年1月9日(金)「しんぶん赤旗」

有力研究所が報告書

米政権 イラクの脅威 誇張


 イラクの大量破壊兵器が差し迫った脅威でなかったにもかかわらず、ブッシュ米政権が「組織的に」誇張していたとする米国の有力シンクタンク(研究機関)「カーネギー国際平和財団」の報告書の内容が七日、明らかになりました。

 「イラクの大量破壊兵器 証拠と影響」と題するこの報告書は、専門家や元査察官、米国の現役・元高官らへのインタビューや関連文書を元に、半年以上かけてまとめられました。イラクでは、戦争の口実とされた大量破壊兵器がいまだに発見されておらず、報告書発表でブッシュ政権への批判がいっそう強まるのは必至です。

 報告書は、イラクの核開発計画再建について「有力な証拠はない」と指摘。生物兵器についても、すでにイラクが保有していたというよりも将来に増大する脅威であったとしています。ミサイル開発については二〇〇二年に活発に進めていたとされ、国連の課した制限を超す計画も拡大していたと述べました。

 その上で「米政権高官はイラクの大量破壊兵器と弾道ミサイル計画の脅威を組織的に不正確に伝えた」と結論づけました。核兵器と生物化学兵器の違いを無視し、戦争の費用対効果の分析もゆがめたと批判しました。

 イラクが国際テロ組織アルカイダに大量破壊兵器を譲渡した証拠やイラクがアルカイダと協力関係にあった証拠もなかったとしています。

 報告書は二〇〇二年から「情報機関が政策立案者の見解に不当に影響されはじめた」と政権からの圧力があったことを指摘しました。


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