2004年1月10日(土)「しんぶん赤旗」
陸上自衛隊の先遣隊が十五日にもイラクに派兵されようとしているなか、女性の憲法年連絡会は九日、「戦争状態のイラクに自衛隊を送るな」と東京・JR渋谷駅ハチ公前で緊急リレートークを行い、「派兵反対」の署名を訴えました。
十一団体三十人が参加し、「憲法九条、無視するな」などのプラカードや横断幕を掲げて訴えると、現職自衛官が署名しました。「イラク・サマワは安心だというけれど、事件が相次いでいる。生きて帰れるかと思うと正直、行きたくない気持ちです。命令が出されたら、行くしかしょうがないのか…。親も心配だといっています」と話しました。
女子高校生や若い女性、子ども連れの母親も次々とペンを握ります。イギリスや台湾の人も横断幕に描かれたブッシュの顔を見ながら「ノー」といって署名。北山孝子さん(33)は、「自衛隊が戦争しに行くのは、絶対反対よ。小泉首相を国民の力でやめさせるしかない」といいます。「派兵すると、日本の平和が脅かされて、東京などがテロの標的になるのでは」と心配顔で署名する女性(40)もいました。
リレートークでは、日本婦人団体連合会、新日本婦人の会、男女平等をすすめる教育全国ネットワークなど九団体の代表が訴えました。
婦団連の堀江ゆり会長は、「新年早々、靖国神社を参拝した小泉首相は、イラクに自衛隊を派兵しようとしています。七割、八割の国民が派兵に反対しています。私たちは、憲法九条を二十一世紀に輝かせよう、平和な国際ルールをうちたてるのに大事な憲法九条を世界に広めようと運動しています。戦争状態にあるイラクに、憲法九条を持つ私たちの国から自衛隊を派兵させるのは、絶対に許してはなりません」と、署名を呼びかけました。
自由法曹団女性部の長尾詩子弁護士は、「国連の枠組みで平和をつくっていくことが求められているのに、アメリカの要請に応じて日本が自衛隊をイラクに派兵するのは、国連中心の平和の取り組みに反します」と小泉内閣を批判しました。
第二次世界大戦で多くの従軍看護婦が傷つけられたことを紹介した全日本赤十字労働組合連合会の太田千枝子中央執行委員長は、「イラクでは国際赤十字がテロに攻撃され、多くの人が亡くなりました。憲法九条があり、これまで赤十字の看護師も戦争に従事することはありませんでした。自衛隊派兵は絶対に許せません。戦争の犠牲者を生まないためにも、いまこそ憲法九条を守ろう」と訴えました。