日本共産党

2004年1月10日(土)「しんぶん赤旗」

イラクのアッバース君

血液疾患の治療へ

劣化ウラン弾被害で苦しむ

名古屋


 湾岸戦争などで米軍が大量に使った劣化ウラン弾の被害に苦しむイラクから、名古屋の市民団体の招きで、アッバース・アリ・アルマルキー君(5っ)が、同市昭和区の名古屋大学病院で血液疾患の治療を受けることになり、八日、母親のアヌワール・アルガド・マウサさん(25)が付き添い、同病院に入院しました。同病院で治療の研修を受けるため、二人のイラク人医師も来日しました。

 戦禍に苦しむイラクの子どもたちを救おうと医薬品などを送る活動を続けている市民グループ、セイブ・イラクチルドレン・名古屋(代表・小野万里子弁護士)が招いたもの。

 病院内で行った記者会見で、母親のアヌワールさんは「日本のみなさんに感謝を述べたい。こういう機会を与えてくれてありがとう」と語りました。受け入れる大島伸一病院長は「世界の中から当病院の小児科が選ばれ、日本と世界に明るい話題で貢献できることをうれしく思う」と話しました。

 二人のイラク人医師はバスラのサドル教育病院で白血病を中心にした悪性血液疾患に取り組んでいるアサード・アーメル・カラフ氏(33)と、バグダッドのセントラル教育病院の小児科のモハメッド・ダハム・ハッサン氏(30)。両氏は、科学的な特定はできていないとしながらも、バスラでは湾岸戦争前の一九八八年には白血病は人口一万人あたり十一人の発症だったが、戦争後の二〇〇一年には百六十七人の発症率になっていることなどをあげました。

 セイブ・イラクチルドレン・名古屋ではこの活動のため千五百万円の募金活動を進めています。


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