2004年1月11日(日)「しんぶん赤旗」
「一人ひとりができるところから創意をこらして声を上げ、草の根の力を一つにあわせ、自衛隊派兵をストップさせましょう」。政府が陸上自衛隊先遣隊と航空自衛隊本隊のイラク派兵命令を強行したことに対し、日本共産党は十日、全国各地で、抗議の街頭宣伝に取り組みました。各地の市民団体や民主団体も多彩な行動をしました。
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東京・池袋駅東口では、市田忠義書記局長と小泉親司参院議員らが演説に立ちました。
市田氏は、政府と与党・公明党が自衛隊のイラク派兵の「基本計画」「実施要項」を決めておきながら、“今回の派遣は先遣隊で、陸自本隊の派遣はあとで決める”などとごまかしていることについて、「結局、派兵の正当性を国民の前に語ることができないことの証明だ」と強調しました。
“陸よりも安全だ”として決めた空自本隊の派兵も、派兵予定地では、米軍機への攻撃が相次ぐなど「最も危険な状態」だと批判。イラク派兵の本質は、無法な侵略戦争の上に不法な占領を続ける米軍を支援するため、現に戦闘が行われているところに自衛隊を送ることにあると強調しました。
米国に一つでも逆らえば日米同盟は壊れるという政府の態度について「イラクに自衛隊を派兵しないことで損なわれる日米関係ならば、そのあり方を根本から見直すべき」だというノーベル賞作家・大江健三郎氏の指摘を紹介。「復興支援を国連の枠組みでできるようにせよ、不法・不当な占領をただちにやめ、イラク国民に主権を渡せと迫ることこそ、憲法が期待する政府のとるべき態度だ」と訴えました。
孫が小学一年になったという平野行夫さん(62)は「孫の世代を戦争には行かせたくない」と署名に応じました。
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埼玉県川口市の民主青年同盟の二つの班は十日、自衛隊のイラク派兵に反対して十七人で市内をピースウオークしました。
青年たちはJR川口駅西口で宣伝・署名した後、正午に出発。約五十分かけて東口まで駅周辺を行進しました。
沿道からは「頑張って」「戦争反対」などの声が。初めて参加した久保裕子さん(24)は「最初は何を話そうかと戸惑いましたが、自衛隊派兵は絶対許せないので、その思いを声に出しました」。山道由望さん(22)は「思っていてもなかなか口にする機会がなく、きょうは思いっきり自分の気持ちを訴えることができてスッキリ」と話していました。
日本共産党の河村勝子県議、板橋博美、松本幸恵両川口市議が激励に駆けつけ、ともに歩きました。
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日本共産党北海道委員会は十日、大雪の中、札幌市のパルコ前で、街頭宣伝・署名を行いました。道委員会勤務員十一人と、女子学生一人も参加。道委員会の石橋哲郎、佐々木忠各常任委員、森英士青年学生部員らがマイクを握りました。
旭川から来た三人の若い男性は「父親は自衛隊員でイラクに行く」と語って署名。二人の若い女性は「もう決まったんでしょう」と話し、もう一人の女性が「でも声をあげないといけない」と署名すると、連れの人も署名しました。
六人連れの若い女性たちは「派兵は反対です」と全員が署名。青年男性はビラを手渡すと、「小泉さんが派兵の説明に憲法前文をつかったのはおかしい」「自衛隊派兵は、日本がイラク国民の敵になることだと思います」と署名しました。