しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年5月8日(金)

山中京大教授、検査拡充を提起

ネット番組 首相、具体策示せず

 新型コロナウイルス対策をめぐる視聴者からの質問に安倍晋三首相が回答する6日夜のインターネット番組で、出演した京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長は安倍首相にPCR検査の抜本的拡充や医療体制の強化を求めました。安倍首相は山中氏の提起にまともに答えることができませんでした。

 他国と比べて日本のPCR検査数が少ない問題で、山中氏は「今後、経済を再開する一つのカギはPCR検査と、陽性者を同定した場合の隔離を徹底的に行うことだ」と述べ、大学の研究所などを活用したPCR検査能力の抜本的拡充を提起。「必要な数を考えれば(現在の検査能力件数)2万では足りない」と批判し、検査の拡充は経済活動再開の前提となるという認識を示しました。

 山中氏の提言に対し、安倍首相は「全力で対応したい」と述べるだけで、具体的な内容を語ることができませんでした。

 また、医療現場の逼迫(ひっぱく)状況について、山中氏は「無給の大学院生の医師が駆り出されている。危険手当をしっかりつけるなど、首相のリーダーシップで改善してほしい」と訴えましたが、安倍首相は回答できませんでした。

 また、安倍首相は、視聴者からの一律10万円給付などの「追加給付はいつか」との質問に、「さらに(自粛要請が)長引く状況になれば、状況を見極める」と述べるにとどまり、「緊急事態宣言」の解除・延長をめぐる今後の判断基準については、専門家が基準を作るよう要請すると述べました。

 番組での安倍首相の回答について、番組を企画したヤフーがウェブ上で行ったアンケート調査(7日午後3時時点、調査は16日まで)で、「納得できなかった」との回答は78・6%に上り、「納得できた」は10%となり、安倍政権のコロナ対応に対する不満や批判が改めて浮き彫りとなりました。


pageup