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2020年6月9日(火)

ネット中傷で提訴

伊藤詩織さん、漫画家ら相手に

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(写真)記者会見する伊藤詩織さん(中央)と弁護士ら=8日、東京都中央区

 安倍晋三首相に近いジャーナリストからの性的被害を実名で公表したジャーナリストの伊藤詩織さんが8日、事実に反するツイッター投稿による誹謗(ひぼう)中傷で精神的苦痛を受けたとして、「はすみとしこ」のペンネームで活動する漫画家と、投稿を転載した男性2人を相手取り、計770万円の損害賠償と、投稿の削除などを求めて東京地裁に提訴しました。

 伊藤さんは2015年4月に山口敬之・元TBSワシントン支局長から意識を失った状態で性行為をされたとして17年に記者会見。山口氏を訴えた民事訴訟では一審(東京地裁)で勝訴しました。山口氏は控訴しています。

 会見した伊藤さんは、被害公表時からネット上に誹謗中傷の書き込みが現れたとして「相手が見えず、どれくらいの人がこういった言葉を発しているのかと思い、本当に怖い。命の危険を感じ、英国に避難した」と報告。「裁判はつらいが、(亡くなったプロレスラーの)木村花さんのニュースにショックを受けた」と提訴に至る経緯を語りました。

 今回の訴訟の対象は、漫画家が伊藤さんの記者会見後から19年にかけて投稿した複数の書き込み・イラストとその転載です。

 訴状によると、その一つには伊藤さんに似た女性が「山口」と書かれたTシャツを着て登場。「枕営業」などの表現もあり、訴状はこれらの投稿が「(伊藤さんの)性被害が虚偽で、金目当てで被害者を装っている」印象を与えると指摘します。

 その上で、伊藤さんの受けた「社会的な評価の低下、名誉感情の毀損(きそん)は、性被害に続く二次被害(いわゆるセカンドレイプ)で大変深刻だ」としています。


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