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2020年6月18日(木)

主張

通常国会の閉幕

山積する課題の審議を続けよ

 1月下旬から始まった通常国会が閉幕しました。日本共産党などの野党は、新型コロナウイルスの感染拡大などに対応するため会期を年末まで延長することを要求しましたが、安倍晋三政権は応じませんでした。コロナによって国民の命と暮らし、日本経済が戦後最大の危機に直面している中で、国会を閉じている場合ではありません。安倍政権も、閉会中に関連委員会を開くことは約束しました。コロナ対策だけでなく、国会で審議すべき重要課題は山ほどあります。安倍政権と与党は国会審議から逃げず、責任を果たすべきです。

国会軽視は許されない

 今年の通常国会の最大の課題は、コロナの感染拡大という未曽有の危機から、国民の命と健康、暮らしと営業をいかに守り抜くかということでした。安倍政権は、2020年度の本予算では、コロナ対策予算を1円も計上しませんでした。直後にまとめた20年度1次補正予算も、深刻な事態に全く見合わない規模と内容にとどまり、すぐに2次補正の編成に追い込まれる異例の展開となりました。後手後手の対応に終始した安倍政権の姿勢は重大です。

 しかも、2次補正では予備費に10兆円も盛り込み、国会の議決なしに政府の判断だけで支出できるようにしました。国民の血税を使った財政の支出を白紙委任することはできません。財政民主主義に反する、安倍政権の国会軽視のやり方は許されません。

 コロナの第2波に備え、今この時期に積極的な検査戦略への転換、保健所体制や医療体制の抜本的な強化、労働者の雇用や中小企業の経営を守る対策、子どもたちの学びの保障のいっそうの拡充を図るべきです。そのための審議は欠かせません。

 予算の執行の面からも、中小企業などへの持続化給付金の支給をめぐる、電通などへの事務委託問題は、徹底究明を求められる大問題です。コロナ対策事業が電通などの食い物になっていると疑われる構図は深刻です。消費喚起の触れ込みで始める「Go Toキャンペーン事業」などでも同様です。事業費の2割にも上る巨額の事務委託費を見積もっている不透明さが明らかになり、経産省は委託先の公募をいったん停止し、所管する官庁ごとの公募としましたが、巨額の委託費は変わりません。国民の疑念は払しょくできません。

 イージス・アショア配備計画の停止や、沖縄の米軍辺野古新基地建設についての審議も不可欠です。「森友・加計」問題や「桜を見る会」疑惑、黒川弘務前東京高検検事長の定年延長問題、河井克行前法相夫妻の公職選挙法違反事件などの解明も重要です。閉会中でも徹底審議するのが国会の責務です。

民意に逆らう政治の破綻

 通常国会で安倍政権は検察人事を私物化できる検察庁法の改定をたくらみましたが、反対世論の高まりで、廃案に追い込まれました。首相が固執する改憲問題も、国会の憲法審査会で国民投票法改定の審議が進まず、自民党改憲案の提示も5国会連続でできませんでした。

 コロナ禍の中で、国民の生存権や財産権など、憲法を守り生かす政治がますます求められます。民意に逆らう政治の行き詰まりは明らかであり、その根本転換のため、国民のたたかいが重要です。


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