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2020年12月5日(土)

日本共産党国会議員団総会

志位委員長のあいさつ

 日本共産党の志位和夫委員長が4日、臨時国会閉会に先だつ党国会議員団総会で行ったあいさつは次の通りです。


写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=4日、国会内

 みなさん、おはようございます(「おはようございます」の声)。衆参の議員団のみなさん、事務局のみなさんの連日のご奮闘に、まず敬意を表したいと思います。

 議員団総会にあたりまして、ごあいさつを申し上げます。

国会延長は当然の要求―コロナ対応、疑惑究明は国会の責務

 本日、朝9時、野党4党(立民、共産、国民、社民)で、衆議院議長に対し、12月28日までの国会会期の延長を求める申し入れを行いました。これは、まったくもって当然の要求だと思います。(「そうだ」の声)

 何よりもコロナに冬休みはありません。ここで国会が休みをとってどうするのと、その姿勢が問われることになると思います。いま感染が拡大し、重症者が増え、医療が深刻なひっ迫に陥り、一部では医療崩壊が始まる、そういう事態になっています。どうやって感染爆発を止め、暮らしと営業を守るか。国民の命がかかった重大局面であり、国会がしっかり仕事をするのは当たり前ではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 「桜を見る会」の「前夜祭」で、安倍(前)首相側が費用補てんをした疑惑もいよいよ深刻になっています。1年間にわたって虚偽答弁を続け、立法府をないがしろにしてきた問題は、国会でなければ解決ができません(「その通り」の声)。安倍前首相の証人喚問を実現し、真相の徹底究明を行うことは国会の重大な責任であります。

 くわえて、吉川(貴盛)元農水大臣が、大手鶏卵生産会社から大臣室などで500万円の現金を受け取った疑惑が報じられています。事実ならば、深刻な贈収賄疑惑となってまいります。これも国会で国政調査権を行使して真相究明をしなければなりません。

 さらに、日本学術会議に対する違憲・違法の任命拒否を撤回させることも、この国会でなすべき大きな仕事であります。

 コロナ対策をないがしろにし、疑惑隠しをはかる国会閉会を許してはなりません(「そうだ」の声)。国会会期の大幅延長のために最後まで頑張りぬこうではありませんか。(「よし」の声、拍手)

コロナから命と暮らしを守るとりくみ―声をあげれば政治は動く

 臨時国会開会の議員団総会で、私たちは、日本学術会議への人事介入、新型コロナ対策という「二つの焦眉の大問題」にとりくむことを誓い合いました。この二つの課題のそれぞれで、衆参の国会議員団が連携し、野党共闘を強めて、重要な成果をかちとったということを確認しておきたいと思います。

無為無策の菅政権に対し、 全員プレーでコロナ対策にとりくむ

 まず、新型コロナ対策についてであります。この問題での菅政権の対応は、一言でいいまして「無為無策」そして「逆行」というほかないものです。感染急拡大のもとで、多くの専門家が「感染拡大のきっかけとなった」と指摘している「Go To」事業に、この期に及んで、いまだに固執しているのは、その象徴ではありませんか。現在の感染の危機的拡大は、「菅政権による人災」と言わなければなりません。(「そうだ」の声)

 日本共産党は、感染拡大から命を守るために、「検査・保護・追跡」の抜本的な強化、医療機関への減収補てんを一貫して求めてきました。事業と雇用の危機に対して、持続化給付金、家賃支援給付金などの直接支援の継続・強化、消費税減税と減免を正面から求めてきました。

 衆参の国会議員全員が、この問題にとりくみました。代表質問、予算委員会、各委員会で、国民のみなさんの切実な願いにこたえ、コロナから命と暮らしを守る論陣を、全員プレーで張ってきました。そのなかで政治を前に動かす一連の成果をかちとってきたことを、ここで確認しておきたいと思います。

PCR検査――政府も党の主張を否定できなくなっている

 たとえばPCR検査の拡充です。この問題では、政府も、わが党の主張を否定できなくなり、医療機関や高齢者施設などへの「社会的検査」、繁華街などの「大規模・地域集中的検査」、これを言わざるをえなくなってきています。ただ、検査費用の半分は自治体持ちという根本的問題は解決しておりません。これが今後の課題になっていますが、半歩、検査の問題で政府の姿勢を動かしてきたということがいえるのではないでしょうか。

 この問題での、全国の自治体での党地方議員団の奮闘も特筆すべきものであります。高齢者施設等への「社会的検査」にのりだした自治体が全国に広がっています。東京都・世田谷区、千代田区、江戸川区、神戸市、福岡市、北九州市、沖縄県、広島県、北海道・函館市、静岡県・三島市などで、「社会的検査」が広がりつつあり、それぞれで命を守る重要なとりくみとなっています。

暮らしと営業、 教育を守る――一連の成果と前進がつくられた

 暮らしと営業、教育を守るという点でも、一連の成果と前進がつくられました。雇用調整助成金のコロナ特例の来年2月まで延長が決まりました。これはコロナ収束までの延長を引き続き求めていきたいと思います。

 また、政府は、学生支援給付金の再追加配分を表明しました。生活福祉資金、住宅確保給付金が来年3月まで延長される方向です。ひとり親家庭に対する特別給付の再給付、これはきわめて切実な課題ですが、これも実現の方向です。

 少人数学級も、実現に向けあと一歩のところまできました。畑野(君枝)議員の質問に対して、萩生田(光一)文科大臣の答弁は、「皆さんと協力しながら頑張りたい」「不退転の決意でとりくむ」「(畑野議員に)勇気をもらいました」(笑い)。あの萩生田氏がここまで答弁するところまで、事態を前に進めました。あと一歩のところです。これはぜひ実現に向けて頑張ろうではありませんか。

 みなさん。コロナの危機のもとで多くの方々が苦しんでおりますが、声をあげれば政治は動く。このことは、この臨時国会でも証明されたのではないでしょうか。引き続き、コロナから国民の命を守り、苦難を軽減するために力をあわせて頑張ろうではありませんか。(拍手)

学術会議への人事介入の論拠崩壊―共同を広げ任命拒否撤回を

 日本学術会議への人事介入問題について、国会開会の議員団総会で、「党の存在意義にかけて、暴挙を許さない先頭に立って奮闘する」ことをみんなで確認しました。この問題も、衆参の代表質問、予算委員会、内閣委員会などで、連携して問題点の徹底追及を行ってきました。

論戦を通じて、 菅首相は、 任命拒否の論拠をすべて失った

 一言でいいまして、論戦を通じて、菅首相は、任命拒否の論拠をすべて失った、このことは確認できるのではないでしょうか。

 菅首相は、「任命拒否の理由」について、最初は「総合的、俯瞰(ふかん)的な立場」といい、それが通じなくなると「多様性の重視」といい、それが通じなくなると「事前調整がされなかった」といいました。どれもがウソだったということが明らかになりました。一つウソをつき、それが通じなくなると、また次のウソをつく。「ウソの自転車操業」ともいうべき、惨めな状態に陥っているではありませんか。

 任命拒否が、日本学術会議法に違反する違法行為であること、憲法23条で保障された学問の自由への重大な侵害であることも明らかになりました。そして、任命拒否が、歴史の反省を無視した時代逆行の暴挙であることを、私たちは明らかにしてまいりました。過去の侵略戦争に命がけで反対を貫いたわが党ならではの論戦だったのではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

一部の学者の問題でなく、 すべての国民の権利と利益にかかわる大問題

 わが党は、この問題が、一部の学者の問題では決してない、国民全体の権利を侵害し、国民全体の利益を損なう、すべての国民の大問題なんだということを、一貫して訴えてまいりました。

 「安全保障法制に反対する学者の会」の集計によると、これは直近の数字ですが、任命拒否に反対する声明を発表したのは、学協会で1004、大学・研究所関係で43、大学人関係で29、労働組合関係で40、法曹関係で51、そして宗教団体や文化芸術団体など100を超える諸団体に広がっています。先日、学生と高校生のみなさんの自発的な運動も始まったのは、心強い限りではないでしょうか。

 この問題の解決の方法はただ一つであります。違憲・違法の任命拒否を撤回する、これが唯一の解決方法であります。そして、ことはわが国における人権と民主主義の前途がかかった、絶対にあいまいにすることができない問題であります。みなさん、任命拒否の撤回をかちとるまで、国民的共同を広げに広げようではありませんか。(拍手)

野党共闘での前進―自民党の改憲策動を許さないたたかいさらに

 この国会での野党共闘の前進についてもふれておきたいと思います。

 さきほどのべたコロナ対応でかちとった前進の多くは、野党共同のたたかいの成果であります。学術会議の問題でも、野党合同ヒアリングで、任命拒否をされた科学者の方々、学術会議の歴代の元会長の方々に証言していただいたことは、この問題を国政の重大問題に押し上げていくうえで決定的な力となりました。

 憲法問題では、自民党が執念をもやした憲法審査会への改憲案の持ち込み、国民投票法(改定案)の採決を、8国会連続で阻止したことは、国民世論と結んだ重要な成果といえると思います(「そうだ」の声、拍手)。「次の国会で結論を得る」ことが確認されました。これをもって自民党は「採決が確認された」などということを勝手にいっておりますが、そんな確認はまったくどこにもありません。「結論を得る」というのであれば、廃案以外にないではありませんか。(「そうだ」の声)

 通常国会にむけ、自民党の改憲策動を許さない国民的なたたかいに全力をあげる決意を、いまここでもう一度固めようではありませんか。(拍手)

共闘の力と党躍進で政権交代を実現し、新しい政権をつくろう

 臨時国会の論戦をつうじまして、菅首相の前任者を上回る強権ぶり、冷酷さ、そして国民に説明する意思も能力もない、そういう姿が早くも浮き彫りになりました。答弁一つとっても、できません。一枚一枚、差し出された紙を読むだけであります。まことにみじめな姿であります。

 次の総選挙では、共闘の力で、菅政権を倒し、政権交代を実現し、力をあわせて新しい政権をつくるために全力をあげようではありませんか。

 「比例を軸に」を貫いて、日本共産党躍進をめざし、宣伝・対話・支持拡大、党勢拡大の新しい前進のうねりをつくりだそうではありませんか。

 この間、「しんぶん赤旗」に新たな注目が寄せられております。「桜を見る会」「日本学術会議」などで次々とスクープをしていることに対する注目であります。「毎日」は「特集ワイド」で1ページ使って、「『桜を見る会』スクープ 赤旗」「視点を変え 見えた腐敗」と大きく報じました。この記事は見出しにもあるように、「首相番、見抜けず」「当初反応鈍く」と自省を込めた率直な記事になっているところが、たいへんに印象的でした。この記事の筆者は、「春の恒例行事として、無邪気に桜を見る会を報じた身としては耳が痛い。そうした報道が、政権による公金の私物化に加担してきた面は否めないだろう」と語っています。こういう自省を込めた、率直な「赤旗」に対する注目がされたことも、大変うれしいことではないでしょうか。

 激動の情勢のなかで、日本共産党の存在と活動は、本当にかけがえないものであります。この党の躍進を今度の総選挙で勝ち取るために、みんなで力をあわせて頑張り抜く決意を固め合いまして、ごあいさつといたします。(拍手)


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