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2020年12月10日(木)

深夜帯 職員1人も可

従来型特養

介護報酬改定で報告案

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 厚生労働省は9日、2021年度以降の介護報酬改定について議論している社会保障審議会(厚労相の諮問機関)分科会に「報告案」を示しました。新型コロナ危機を踏まえ「基本認識」の第一に「感染症や災害への対応力強化」を掲げる一方、介護現場の人手不足をいっそう深刻にする職員配置基準や運営基準の緩和が多く盛り込まれました。

 従来型の特別養護老人ホーム(相部屋など)について、見守り機器などの導入と引き換えに、夜勤の職員配置基準の緩和を提案。利用者数が26~60人以下の場合の夜勤基準は、現在は2人以上となっていますが、これを常勤換算で1・6人以上に引き下げます。換算方法について厚労省は、深夜帯は職員1人で対応し、夕方や明け方に職員を追加配置することで1・6人を確保したとみなすことも可能だと回答しました。

 日本看護協会の岡島さおり理事は「事実上減らされるということ。深夜帯の人員は薄くなる」と指摘。「認知症の人と家族の会」の鎌田松代理事は「あまりにも議論が性急すぎる。取り消していただきたい」と迫りました。

 報告案はほかに、全室個室の特養ホームなど「ユニット型施設」全般について、生活単位である1ユニットの定員の上限を現行の10人から15人へ緩和(見直し後も原則は10人以下)。認知症の高齢者が共同生活を送るグループホームについては、新設に限り1施設のユニット数の上限を現行の2から3へ引き上げたうえ、夜勤の職員配置基準についても1ユニットに1人以上の「原則」は維持しつつ、3ユニットの場合は「例外的」に2人でも可能にすることを盛り込みました。

 委員からは、職員の負担を増やす基準緩和では介護人材の確保がいっそう困難になるとの意見が相次ぎました。


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