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2024年11月23日(土)

知りたい聞きたい

皇室典範改正の勧告どう見る?

 Q 皇位継承を「男系男子」に限る日本の皇室典範について、女性差別撤廃委員会が改正を勧告しました。日本共産党はどう考えますか?(一読者)

男性限定に合理性なし

 A 勧告の直後、日本政府はこれに抗議して削除を要求しました。「(皇位継承は)国家の基本にかかわるもので、女性差別撤廃条約で取り上げるのはふさわしくない」というのです。

 しかし、女性差別撤廃条約は、女性に対するあらゆる形態の性差別をなくそうとするもので、皇位継承のあり方も例外ではありません。委員会は日本だけでなく、同じ課題がある国には同様の勧告をしています。スペインは女性が王位を継承できますが、男性が優先されるため、やはり改善勧告がだされています。

 世界を見渡すと、男系中心だった欧州の君主制の国々でも、男女平等の考え方が広がるもとで、性別を問わず第1子が継承する国が増えています。

 デンマークは1953年に女性にも王位継承を認め、2009年には国民投票で完全な第1子継承に。今年1月まで52年間女性が王位についていました。スウェーデンは、国民の平等を求める声によって1980年に王位継承法を改正し、男子継承から第1子継承に変えました。オランダは83年、ベルギーも91年の法改正で第1子継承になっています。

 日本共産党は2019年、志位和夫委員長(当時)が「しんぶん赤旗」のインタビューにこたえる形で「憲法にてらして女性・女系天皇を認めることに賛成」という立場を明らかにしています。憲法は天皇について「日本国の象徴」「日本国民統合の象徴」と規定しています。その日本国民は多様な性をもつ人々で構成されているのですから、「日本国民統合の象徴」が男性に限定されるべきだという合理的理由はどこにもありません。

 今回、女性差別撤廃委員会の審査で日本政府は「皇位継承のあり方は歴史や伝統が背景」にあると「反論」しましたが、日本国憲法上、天皇の存在は「歴史や伝統」にもとづくものではなく、あくまで「国民の総意」(第1条)にもとづくものです。「歴史と伝統」をふりかざして「男系男子」に固執するのは戦前の明治憲法の発想です。


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