2004年1月14日(水)「しんぶん赤旗」
【ワシントン=遠藤誠二】ブッシュ米大統領は十二日、米州首脳会議出席のため訪れているメキシコのモンテレーで開かれた記者会見で、イラクのフセイン政権転覆は二〇〇一年一月に政権が発足した当初からの既定方針だったことを言明しました。
メキシコのフォックス大統領との共同記者会見でブッシュ大統領は、「フセイン(元イラク大統領)にたいするわたしの政権の政策は明確だ。前(クリントン)政権と同じように、われわれは政権交代の立場だった。その線に沿って政策を策定していた」とのべました。
ブッシュ政権がイラク打倒の方針を持ったのは二〇〇一年九月の同時多発テロ以降でなく、政権発足当初からだったことは、一昨年末に更迭されたオニール前財務長官が最近暴露していました。ブッシュ大統領の発言はこれをみずからの口で裏付け、イラクの大量破壊兵器やテロリストの脅威などは口実にすぎなかったことを示しました。
オニール前長官はテレビ、雑誌、本などを通じて、ブッシュ政権の政策や政策決定の手法を批判。長官在任中、フセイン政権が大量破壊兵器を保有していた証拠を見たことはなかったことや、国家安全保障会議(NSC)でイラク侵攻の正当性について論議せずに計画を進めていたことを明らかにしています。