2004年1月15日(木)「しんぶん赤旗」
模索、発見、新たな決意へ――。日本共産党第二十三回大会は二日目の十四日、党綱領改定案と大会決議案について討論に入りました。綱領改定案が示した民主的改革の道すじや未来社会論、参院選挙に勝ち抜く意気高い発言が相次ぎました。
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「未来社会論は遠い将来の問題でなく、子どもたちの将来を考えればこれしかありません」。こう力を込めたのは、三歳の子のお母さんでもある江尻加那水戸市議。市の次世代育成プログラムにかんする議論でも未来社会論に通じるものがあったことを紹介し、「多くの人に綱領を語っていきたい」と決意を語りました。
ある研究職場の代議員は、「『生産者が主人公』『個人の全面発展』という未来社会論の特徴づけは、研究者の感覚にぴったりくる」と発言。地球環境悪化の最大の要因が資本主義のもとでの企業による浪費にあると指摘しつつ、研究所幹部との対話でも「二十一世紀はいまの浪費構造をやめ、新しい社会構造をつくらなければならない」という声が出ており、多くの研究者と対話を広げる条件がうまれていると紹介しました。
渡辺和俊京都府書記長は、綱領学習会で青年が民主的改革に共感を寄せていることを紹介し、「綱領はこれまでの蓄積されてきた理論があり、新しい世代に融合する力をもっている」と発言。福岡の篠田清代議員は、旧ソ連をみて社会主義・共産主義への誤解・偏見があるなかで改定案の未来社会論を語り広げていく重要性を自らの講師活動の経験から強調しました。
北海道の山本和子・上士幌町議は町内三軒に一軒の割合で配っている読者・後援会ニュースとともに綱領改定案を届け、対話した経験をもとに町民のあいだで語り広げていく決意をのべました。
イラク戦争後も反戦のとりくみを続け、一般紙記者から「あきらめない姿に感動した」と言葉をかけられたというのは、高知の民青同盟グループの浜川百合子さん。その力になったのが綱領改定案など学習だったとのべ、民主的改革を「自分たちで実現したい」と入党を決意した青年の例などを紹介し、感動を広げました。
大企業・財界による横暴を許さないたたかいを報告したのは、笘原敏郎・トヨタ自動車党委員会委員長。長時間労働、サービス残業、過労死も生み出す職場の実態を告発し、たたかってきました。日本共産党の国会質問を契機に、サービス残業を是正する措置がとられるなど職場で大きな変化がおきていることを紹介しました。
東京の民青同盟グループの吉岡正史さんは、国連中心の平和秩序の重要性を指摘した綱領改定案が、平和の行動を繰り広げてきた青年に「自分の平和の思いは間違っていないと確信を広げるものになっている」と報告。「世論とともにありたい」との仏外相の発言が共感を広げていたことをあげ、「独占資本主義=帝国主義」の立場にたたないとした改定案が平和の共同を広げる力になるとのべました。
「十代、二十代の若者は自民党政治の最大の被害者」と指摘した京都・西地区委員会の吉田幸一さんは、選挙のときも学習タイムを欠かさないなど学習を重視して青年党員の成長をはかってきた経験を紹介。青年党員と「おとなの党員」との垣根をなくすとりくみなどを紹介し、青年分野で党建設を前進させている経験を紹介しました。
島根の後藤勝彦代議員・参院選挙区候補は、綱領改定案や大会決議案を中心にした学習への粘り強い援助を通じて、「青年と心の通う関係」をつくった経験を発言。隣の地区で同じ青年・学生部長をしている妻と「夫婦で経験交流しながらがんばっている」とのべ、会場からあたたかい拍手をあびました。
ある学生代議員は、週一回の支部会議で理論学習をすすめ、「みんなが主人公になるように」とこころがけた三泊四日の夏の合宿での綱領学習を力に総選挙に奮闘した経験を報告。参加した学生の「初の投票がマスコミのへんな流れにのせられることなく、ここだと確信した共産党に入れることができた」というメールを紹介しました。
総選挙時比130%の「しんぶん赤旗」の読者で参院選挙をたたかおうという提起には、各地のさまざまな経験をもとに決意を新たにする発言が相次ぎ、会場が大きくわきました。
「『赤旗』日曜版は毎週家庭訪問をしているようなもの」と、持続的に「しんぶん赤旗」を拡大してきた経験を生き生きと語ったのは、北海道の加藤弘二浜中町議。富山県議の火爪弘子さんも、自民党の組織が強い地域で後援会員を拡大した経験を広げて、130%の読者拡大をやりとげたいとのべました。
香川の代議員・吉田ひろみさんは、週一回の街頭宣伝を二年間続けるなど、草の根のたたかいを積み重ねながら、前大会比120%の機関紙拡大をやりとげた経験を報告。新潟市議選で二回連続トップ当選した渋谷明治さんは生活相談活動や数十年続けている毎朝の早朝宣伝の反響を紹介、こうした活動が前大会比二倍の党員拡大につながったとのべ、130%の陣地建設への決意を語りました。
機関紙拡大で最近二十七カ月のうち二十四カ月前進し、二百十人の党員を迎え入れ四ケタの党を実現した経験をのべたのは、東京・荒川地区委員長の伊藤文雄さん。八万世帯への区民アンケート、生活相談活動など住民との結びつきのなかで党建設をすすめた教訓を発言しました。日比野淳之・仙台西地区委員長は、130%の読者拡大に挑戦するためにも党機関自身、党支部に心を寄せることの重要性を強調。「ところで中央は何を言っているの」との質問に、自分なりに語った経験をユーモアをまじえて語りました。