日本共産党

2004年1月17日(土)「しんぶん赤旗」

欧州の大型店舗規制はどうなっている?


 〈問い〉 日本は大型店舗乱立で商店街が荒廃していますが、欧州はどんな規制がおこなわれているのでしょうか。(長野・一読者)

 〈答え〉 欧州でも大型店舗の無制限な出店は、各地で中小の商店を倒産に追い込み、従来の町をさびれさせるなど深刻な問題を引き起こしてきました。

 こうした体験を通じ、各国ではとくに九〇年代半ば以降、町の活気と雇用の回復、消費者への近接したサービス提供をめざし、大型店舗規制を実施する動きが強まっています。またその背景には、伝統的な街並の保存とか、住みやすい町づくりを求める住民の要求があります。

 しかし、欧州連合(EU)全体としては「自由競争」原理を建前としていることもあって、これまでのところ共通した規制はできあがっていません。

 フランスでは、小売店では売場面積三百平方メートル以上の出店は不可で、ショッピングセンターも千五百平方メートル以上は不許可です。

 イギリスでは、「中心市街地の再生、郊外大型商業施設規制」という中央政府の基本政策を基礎に、各自治体が出店許可を決定しています。

 イタリアでは、許可する店舗面積を自治体人口に応じて区別しています。一万人未満は店舗面積百五十平方メートルまで、一万人以上では二百五十平方メートル以内です。許可権限は各自治体にあります。ベルギー、オランダ、スペインでも規制があります。

 ドイツの場合、取り組みには温度差があるものの、各自治体が「歩行者天国」や「環境保護地区」をつくり既存の商店街の保護・活性化に努力、同時に大型店による乱暴な開店攻勢から守っています。

 たとえば、本紙記者が取材した例では、中部のコーブルク市では、市中心部への大型店進出は禁止、市郊外への出店も市内の既存商店に影響が及ぶさいには出店を認めていません。北のフレンスブルク市でも当局によって同じような方針が取られています。

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 〔2004・1・17(土)〕


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