2004年1月17日(土)「しんぶん赤旗」
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「首相に向かって『憲法を守れ』といわねばならないのはたいへん悲しい」−−。陸上自衛隊先遣隊がイラクに派兵された十六日、宗教者が首相官邸前で小泉首相に抗議して平和を祈り、全国から集まった四千四百五十五人分のイラク派兵反対署名を政府に提出しました。
宗教者による祈りの要請行動を主催したのは「平和をつくり出す宗教者ネット」。署名提出行動は昨年の十二月に続き二回目で、キリスト者、仏教者ら五十人が宗派を超えて参加しました。
国会内での集会後、参加者は「武力で真の平和はつくれない」「人を殺すな、戦争するな」「自衛隊のイラク派兵に反対します」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げ、首相官邸前まで“平和の行進”。
マイクを握った宗教者たちは官邸に向かって「イラクに自衛隊をおくることはやめてほしい」「イラクの人を殺してはいけない。自衛隊員が殺されてもいけない。それまで私たちは行動を続けます」などと次々に発言。「戦後の平和主義が根底から壊されようとしていることを小泉さんはわかっていますか」「小泉さん、憲法全体を読み直してください」と訴えました。
聖母訪問会シスターの佐藤紀伊さんは「集会に合わせてシスター全員が修道院で祈りをささげています。きょうの行動のうしろには何千、何万の祈りがあることを知ってほしい」と語っていました。
同ネットは命と平和憲法を守ることを一致点に二〇〇二年四月に結成された団体で、現在四百五十の個人・団体で構成されています。