2004年1月18日(日)「しんぶん赤旗」
通常国会は十九日に召集され、六月十六日までの会期で開かれます。参院選を控えて各党の姿勢が問われるもとで、イラクへの自衛隊派兵や憲法改悪のくわだて、年金大改悪や消費税増税のたくらみなど二十一世紀の進路にかかわる重大問題がめじろ押しの国会となります。
冒頭から最大テーマとなるのは、自衛隊のイラク派兵の国会承認案です。
自衛隊派兵の具体化にともなって、「人道復興支援」どころか米英占領軍への支援・参加にほかならないなど政府の説明がなりたたなくなり、派兵計画の本質が浮き彫りになっています。それだけに政府・与党は、本会議で趣旨説明・質疑もせずに早期成立をねらっています。
日本共産党は、「憲法の根本原則を著しく踏みにじる歴史的暴挙」(市田忠義書記局長、九日)として派兵計画の中止・撤回を求めています。
民主党は「イラク特措法による派遣には反対」(菅直人代表、十三日の党大会)と表明しています。
野党三党は本会議の趣旨説明・質疑も含めて徹底審議をおこなうよう主張しています。
「国民保護法制」関連法案はじめ、アメリカの無法な戦争に日本が加担する道を開くくわだても大きな焦点です。
「かなり憲法改正の問題が現実的な課題になってきた」(小泉純一郎首相、十三日)。自民党につづいて民主党も二〇〇六年までに憲法改定案をまとめる方針を決めたもとで、「明文改憲」に向けた動きが具体化するのも特徴です。
改憲勢力は、憲法改定をねらう国民投票法案を議員立法として提案することをねらっています。
日本共産党は二十三回党大会で「憲法改悪反対の一点での広大な国民的共同を発展させることを呼びかける」(志位委員長、十三日)とともに、「憲法改悪を阻止する第一歩のたたかい」(同)として、国民投票法案の強行を許さないたたかいに力をつくします。
来年度予算案には、すでに決まっている四兆円の負担増に続いて、年金制度の大改悪など三兆円もの新たな負担増を国民に押しつける計画が盛りこまれています。
政府・与党は、基礎年金への国庫負担の二分の一への引き上げの財源として、定率減税廃止による庶民増税や消費税増税をあてる道に踏み出そうとしています。しかも、自民党と公明党の「税制改革」合意は、「〇七年度をめどに消費税をふくむ抜本的改革を実施する」と期限を示して公然と消費税増税を打ち出しました。
日本共産党は「国民の暮らしに重大な打撃をあたえ、日本経済を破壊する空前の大収奪」(志位委員長、十三日)と批判。消費税に頼らなくても安心できる社会保障を築けるという対案も示しながら、大収奪計画を食い止める論戦を繰り広げます。
道路公団の民営化や地方税財政の「三位一体改革」など、小泉「改革」路線の看板となっていた諸問題について関連法案が相次いで出されます。
道路公団民営化では、ムダな道路建設を今後も続けること、「三位一体改革」では自治体に負担を転嫁し、住民サービスの低下をもたらすことが明らかになっています。
日本共産党は、道路公団民営化案について「およそ『改革』の名に値しない」(佐々木憲昭政策委員長代理、昨年十二月二十二日)と指摘。破たんがあらわになった小泉「改革」路線を追及し、国民本位の改革を実現するための論戦を展開していきます。