2004年1月20日(火)「しんぶん赤旗」
小泉純一郎首相は十九日、衆参両院で施政方針演説を行いました。保守新党の合流で自民・公明の与党体制になって初の国会で、首相は「連立政権の安定した基盤に立って改革の芽を大きな木に育てる」と、破たんした小泉「改革」路線を突き進む考えを示しました。
自衛隊のイラク派兵について首相は、「安全確保支援」など米英占領軍への支援・参加という本質は覆い隠したまま、「人道復興支援」「武力行使はしない」とごまかして強行する姿勢を表明。
自衛隊派兵の基本計画決定時にも引用した憲法前文を持ち出し、「平和は唱えるだけでは実現できない。日本も行動によって国際社会の一員としての責任を果たさなければならない」と、憲法に違反した自衛隊派兵を正当化しました。
昨年強行した有事法制に続き、アメリカの無法な戦争に国民を統制・動員する国民保護法制の成立など「総合的な有事法制を築き上げる」と強調。弾道ミサイル防衛システムの整備にも言及しました。
保険料引き上げと給付水準引き下げを自動的に行う年金制度の大改悪を「安心の確保」と称して実施すると表明。国民への公約である基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げる措置については、その財源に年金課税強化など庶民増税を充てる計画を示しました。
二〇〇七年度をめどに「消費税を含む抜本的改革を実施する」とした与党税制大綱を踏まえ、「中長期的視点に立って税制の抜本的改革に取り組む」とのべ、公然と消費税増税を打ち出しました。
総選挙後、公選法違反による自民党議員二人の逮捕・辞職を出しながら、「政治家一人ひとりが襟を正さなければならない」「さらに政治改革を進める」と人ごとのようにのべ、事件への無反省ぶりを見せました。