2004年1月20日(火)「しんぶん赤旗」
イラクの首都バグダッド発のロイター電によると、十九日、同市でイスラム教シーア派住民を中心とする数万人の市民が早期直接選挙を要求するデモを行いました。
米英占領軍主導の暫定行政当局(CPA)のブレマー文民行政官は、直接選挙は来年まで不可能だとしています。同日の国連との協議でも、この方針を伝えるとみられています。
バグダッドのデモは、同協議を前に、改めて米占領軍当局の「主権移譲計画」に抗議し、選挙要求の強さを示すものとなりました。
イラク国民の六割を占めるシーア派住民は、同派指導者シスタニ師をはじめ、早期の選挙を求めてきました。デモ参加者はシスタニ師の肖像を掲げ、「統一にイエス、選挙にイエス」と叫び、「すべての人があなたとともにある」と同師支持のスローガンを唱和しました。
参加者のアブ・カラル・バハディリさんは「欧米に選挙があるように、ここイラクでも選挙が行われるべきだ」「米国は民主的で、諸国に自由をもたらすというなら、われわれに選挙をやらせるべきだ」と述べました。
同様の選挙要求デモは、同国第二の都市・南部バスラでも十五日に行われています。