2004年1月22日(木)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 政府は昨年から猛烈なドル買い支えをしていますが、どうやって資金を調達しているのですか。 (東京・一読者)
〈答え〉 財務省資料によると、昨年十二月二十六日までの一年間に、政府は外国為替市場で二〇・〇六兆円もの介入を行い、ほとんどが円売り・ドル買いでした。過去最高だった九九年の七・六四兆円の、二・七倍にのぼります。この介入の窓口が財務省所管の「外国為替資金特別会計」で、外為(がいため)特会、または外為会計と略称します。財務省が日本銀行に運営事務を委託しています。
外為特会による市場介入で現金が不足するときは、一時借入金や融通証券発行で調達することが法律で認められています。通常用いるのは、三カ月程度で償還する政府短期証券(FB)です。償還期間などが違うものの、国の借金であり、通常の国債と同じ性質のものです。
資金調達は、予算で限度額を示し、国会の議決を経ます。二〇〇三年度当初予算では限度額は七十九兆円でしたが、政府は補正予算で百兆円とし、〇四年度予算案では百四十兆円に増額して、大量のドル買い介入を続ける姿勢を示しています。しかし、外為特会はドル安でドル建て資産の価値が目減りし、〇三年度中に新たに二兆円以上の評価損が発生する見通しです。
現在、ドルはユーロなど他の通貨にたいしても全面安です。ブッシュ米政権の大軍拡・金持ち減税などの放漫財政やドルたれ流し政策のもとで、財政赤字や貿易赤字が最大規模に膨れ上がり、戦争の泥沼化など経済の先行きにも不安が広がっているためです。しかし小泉内閣は、米国の無責任な政策をただすどころか、イラク戦争での突出した支持などブッシュ政権の政策の片棒かつぎに終始し、ドル安を招く米の政策を、輸出企業をかかえる財界の意も受けた際限ないドル買い介入で、必死に支えるのみです。政府は介入で得たドルで米国債を購入し、ここでも財政赤字のブッシュ政権を支えています。(水)
〔2004・1・22(木)〕