2004年1月23日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は二十二日、代表質問に対する小泉純一郎首相の答弁の感想を記者団に問われ、「聞かれた問題の核心に正面から答えていない。私は、どの問題も根本の認識を問うたが、その根本のところでまともなものはないことが浮き彫りになった質疑だったと思う」とのべました。
志位氏は、イラク戦争の性格の認識をただしたのは「占領は戦争状態の継続であり、それに加担するために自衛隊を派兵する以上、戦争の性格が何かについての根本的な認識がもとめられるからだ」と強調。小泉首相が大量破壊兵器問題で「まだ調査している」と言い逃れたものの、米軍、CIA(中央情報局)のチームそれぞれが発見できずに行き詰まっているのが実態だと指摘しました。
占領軍への参加が憲法の禁止する「交戦権」の行使にあたるとの追及に小泉首相が、「安全確保支援は人道復興支援に支障をきたさない範囲でやる」とごまかしたことについて志位氏は、「どっちが主、従であろうと、安全確保支援が占領支配の一翼を担うものであることは事実であり、論理として説明がつかない」と批判。「戦闘地域、非戦闘地域というごまかしの議論にくわえて、根本をいえば、占領への参加そのものが、憲法上許されない交戦権にあたる。憲法上の大問題として大いに追及したい」と強調しました。
アメリカいいなりで占領支配に加担している小泉首相が、派兵を拒否している国々について、「それぞれの国の判断がある」と答弁したことに志位氏は、「それなら日本も日本なりの判断をすべきだ。自衛隊を出さなければ『国際社会の一員としての責任』を果たせない思考停止に陥り、アメリカのいいなりに自衛隊を出す姿勢は恥ずべきものだ」ときっぱり。
志位氏は、「戦争の性格、占領の問題、憲法とのかかわり、国際社会の動きという根本問題を提起したが、これらの問題で冷静な検証が国会でなされるべきだ。今後も大いに論戦を発展させたい」とのべました。