2004年1月26日(月)「しんぶん赤旗」
イラク駐留米軍の二十五日の発表では、首都バグダッド北方約二百キロのベイジで二十四日夜にロケット弾攻撃を受け重症を負っていた第四歩兵師団所属の米兵が死亡しました。昨年三月の米軍侵攻開始後にイラクで死亡した米兵は、これで五百十三人となりました。
イラク各地では二十四日も米兵とイラク人警官への攻撃が相次ぎ、占領軍に対する攻撃は拡大の一途をたどっています。
現地からの報道によると、バグダッド西方約百十キロのハルディアで、米軍基地の入り口で自動車の爆弾が爆発し、米兵三人が死亡、六人が負傷しました。同地は、イスラム教スンニ派が多数を占め米兵への攻撃が相次ぐ「スンニ・トライアングル」地域にあります。
一方、自衛隊派遣地のイラク南部サマワ、バグダッド、北部のキルクークでは、イラク人警察官が攻撃され、三人が死亡、五人が負傷しました。このうち、サマワでは、警察官一人が車の中で頭部などを銃で撃たれて死亡。バグダッドでは、交通担当の警察官が銃撃で一人死亡、三人が負傷。キルクークでは、爆発で石油パイプラインを警備中の警察官が一人死亡、二人が負傷しました。
国民の治安への懸念も拡大。バグダッド発のロイター通信は二十一日、イラク戦争を賛美したブッシュ米大統領の一般教書演説へのイラク国民の反応を報道。「イラク人の多くは、サダム(フセイン元大統領)の支配下でさえ、いま首都で相次ぐ爆弾攻撃や犯罪を恐れる必要はなかったとブッシュを非難している」と伝えています。