2004年1月26日(月)「しんぶん赤旗」
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「イラク派兵を許すな」とハンカチに書いて背中に張り付けた女性、「とめようブッシュの戦争」のゼッケンをつけた青年…。六千人が東京・日比谷野外音楽堂に集まった「ワールドピースナウ1・25」。「戦争はいらない」という熱い思いであふれました。
髪の毛に黄色いリボン、ほっぺに紅をつけて参加した石野いく恵さん(53)=東京・葛飾区=は、「自衛隊をイラクへ出してしまい、一国の総理が憲法を破ってどうすんの」と小泉首相をしかります。「出してしまったからといってあきらめるんじゃなく、引き戻すたたかいをしたい」という石野さん。「こういうことを認めたら、子どもたちの未来が守れません」ときっぱり。
「人道支援の名を借りたイラク派遣は戦争への道」と書いた手製の横断幕を掲げるのは東京都内の岩城範枝さんらのグループ。「デモは初めて。筆を買ってきて今公園で書きました。今、言わなくて、いついうの」。高校時代の友人らに声を掛けて集まった、教師やコピーライターや主婦の仲間です。
岩城さんは「どんな大義名分があっても戦争や人殺しをしてほしくない。正しい戦争なんてないんです。そのことを多くの人に分かってもらいたい」といいます。
「自衛隊のイラク派遣に反対」「日本国憲法で世界の平和を守ろう」と書いた布をマントに縫い付けた東京・北区の岩瀬房子さん(80)。戦時中小学校の先生でした。「旧西独のワイツゼッカー大統領の演説にもあったように、戦争の歴史に学ばない小泉さんは愚かな人です」
「直接人を殺すことに加担するのは許せません」という都内で法律を専攻する男子学生(21)。「政府は安全だと強調しますが、明らかに戦闘地域でしょう。徴兵制も現実味をおびてきた。イラク戦争は国際法違反だし自衛隊も憲法違反。大量破壊兵器も見つかっていません。高校生や中学生でも分かるレベルで押し通されていることが怖い」と話します。
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「自衛隊のイラク派兵は今すぐやめよ」「憲法九条を守ろう」と訴える神奈川県の女性のピースアクションが二十五日、横浜市中区の桜木町駅前で取り組まれました。
日本共産党の、はたの君枝参院議員(神奈川選挙区候補)も参加し、「憲法九条違反の占領支配、戦闘地域への自衛隊派兵をただちにやめさせましょう」と訴えました。
二〇〇〇年の世界女性行進以来、神奈川で有事法制反対、「イラク戦争やめよ」などの活動をすすめてきた「2000年世界女性行進inかながわ実行委員会」が主催。新日本婦人の会県本部、県母親連絡会、神奈川労連女性部、県建設労連主婦協議会、婦人民主クラブ(再建)など十三団体から四十一人が参加して、幅広い女性団体などでつくる「かながわ女性会議」が小泉首相に「自衛隊のイラク派遣反対」を要請したことも知らせて宣伝し、署名七十八人分が集まりました。
署名した横浜市金沢区の坂本ジュリーさん(43)は「アメリカがイラク戦争を起こしたときから反対でした。いまだに大量破壊兵器は見つかっていないし、国連の決めたことをしっかり守ってほしい。人道復興支援は、NPOや民間企業などでやってほしい」と話し、同市泉区の女性(73)は「戦争にはとにかく反対です。戦争してプラスはない、マイナスだけです」と語っていました。
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「行くな 行かさん 自衛隊!イラク派兵反対集会」が二十五日、兵庫県伊丹市の昆陽池公園で開かれ、近畿各地から千五百人が集いました。幅広い団体・個人でつくる実行委員会が主催。
寒風が肌を刺すなか、「労働組合の存在にかけて、テロも戦争もない世界をつくるために頑張る」(兵庫労連)、「子どもたちの瞳が曇らないように憲法を守り抜く」(小学校教師)など平和への熱い思いがあふれました。
日本共産党の大沢たつみ参院議員、社民党の土井たか子衆院議員、白井文尼崎市長からメッセージが寄せられました。
「集会アピール」を拍手で確認し、「占領軍支援のイラク派兵反対」と唱和しながら陸上自衛隊中部方面総監部までデモ行進。「ヒューマンチェーン」で総監部を取り囲み、大きなウエーブが沸き起こりました。