2004年1月28日(水)「しんぶん赤旗」
【パリ=浅田信幸】シラク仏大統領と同国を公式訪問中の胡錦濤中国国家主席は二十七日、エリゼ宮(大統領府)で前日に続き二回目の首脳会議を行い、国連をはじめとする多国間体制の強化をうたった共同声明に調印しました。
声明は「より安全で、多様性をより尊重し、より連帯的な世界を推し進める仏中の戦略的なグローバル・パートナーシップ」を、多国間システムや核不拡散、テロとのたたかいでの共同行動において「強化、発展、充実」させることを強調しています。
この中で、多国間協調主義(マルチラテラリズム)を「世界と地域の秩序に対する脅威と挑戦に応え、危機を効果的に予防し解決するのに適した手段」であるとし、「国連憲章の目的と原則の尊重」を、同パートナーシップの第一の実践分野と位置づけました。
両国は一九九七年、シラク大統領が北京を訪問し、当時の江沢民主席との間で今回と同様の共同声明を発表。昨年のイラク戦争では、ロシアやドイツとともに戦争反対の立場をとりました。
ともに国連安保理常任理事国で、経済力で世界第四位のフランスと、世界最大の人口を抱え成長著しい中国が「多極世界」論に立って連携強化を確認したことは、単独行動主義を強めるブッシュ米政権に対するけん制となっています。