2004年1月28日(水)「しんぶん赤旗」
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憲法違反のイラク自衛隊派兵。二十七日の衆院本会議で審議入りした派兵承認案について、日本共産党の赤嶺政賢議員はその問題点を小泉純一郎首相にただしました。質疑を再構成して紹介します。
赤嶺 イラク戦争は、米英が国連安保理の承認なしに、一方的に始めた、国際法上の正当性・合法性がまったくない無法な侵略戦争だ。米英両国はイラクが大量破壊兵器を保有していると一方的に決めつけ、それを開戦の最大の口実とした。
ところが、大量破壊兵器はいまに至るも発見されないどころか、米国のイラク調査団長デビッド・ケイ氏が「大量破壊兵器はもともと存在しなかった」と言明した。
首相は昨日の衆院予算委員会で「未解決の問題」「もっているか、いないか断定はできない」と答弁した。あなた自身が「保有」を断定したことが誤りだということか。
首相 ケイ氏の発言についての報道は承知している。大量破壊兵器に関する疑惑は今日にいたるまで解消されていない。イラク監視グループの捜索を注視していく。
赤嶺 首相は「戦争に行くのではない」と強調するが、「イラク戦争は終結した」という認識か。国際法上、イラク戦争は終結しておらず、戦争状態にあるのではないか。
首相 米英軍や外国政府関係者などに対する攻撃がある。イラクの情勢は予断を許さないが、戦争が継続している状況ではない。
赤嶺 連合軍司令部は「自衛隊部隊は連合軍の指揮の下に入る」と回答している。国連安保理決議一四八三は占領当局の下にある「すべての関係者」に国際人道法の順守を明記している。
自衛隊が「交戦者の資格」をもつということではないのか。
首相 自衛隊は武力紛争の当事者でも占領を実施する者でもないので、国際人道法の適用を受けず、捕虜の扱いも受けない。
赤嶺 航空自衛隊はクウェートの空軍基地を拠点にして、イラク国内に「人道復興物資等の輸送」をおこなうとしている。イラクでは米中央軍前線司令部が空爆作戦から戦略輸送作戦まで、すべての航空作戦を指揮・統制している。連合軍の空輸任務の一翼を担うものだ。
首相 人道復興支援に支障の生じない範囲で、兵員の輸送や「安全確保支援活動」をおこなうことはありうる。
赤嶺 「武器・弾薬は運ばない」という政府方針はどう担保するのか。
首相 自衛隊が武器・弾薬輸送をおこなわないことは、関係国軍との信頼関係にもとづく調整で各国から理解を得ている。
赤嶺 「実施要項」はサマワ、バグダッド、モスルなどを「非戦闘地域」に指定している。いまだ戦争状態にあるイラクで「戦闘地域」「非戦闘地域」の区分けは成り立たない。指定の根拠を国民に説明すべきだ。
首相 いままでの調査や各種の情報を踏まえ判断した。
赤嶺 政府は「テロ」からの「正当防衛」として武器使用は当然だとしている。軍事占領への武力による抵抗、ゲリラ戦となれば国際紛争としての武力紛争となる。そこで自衛隊が上官の指揮命令で組織的に無反動砲などを使用すれば武力行使そのものだ。
首相 適正な武器使用を徹底する。