2004年1月30日(金)「しんぶん赤旗」
【ワシントン=遠藤誠二】ブッシュ米政権がイラク戦争の最大の根拠とした大量破壊兵器を見つけ出すためイラクに派遣され、昨年六月から捜索に当たってきた米イラク調査グループ(ISG)のデビッド・ケイ前団長・前米中央情報局(CIA)特別顧問は二十八日、米上院軍事委員会の公聴会で、開戦前にイラクには大量破壊兵器がなかったと証言しました。これによってブッシュ政権のイラク戦争の大義は大きく揺らいでいます。同政権の主張をうのみにして米国のイラク侵略戦争を支持した小泉政権の責任も改めて問われています。
ケイ氏は、「明らかにここにいる私も含めて、われわれはほとんど間違っていた」「大規模な大量破壊兵器の貯蔵はない」と断言。昨年三月のイラク侵攻前に米国がつかんでいたフセイン政権による大量破壊兵器保有の情報は誤りで、大量破壊兵器は無かったと主張。米情報機関の失敗を調査する独立した機関設置の必要性を唱えました。
ケイ氏は、昨年の開戦前、核兵器製造のために使うものだと米政権が疑った強化アルミ管など、疑惑の「証拠」とされた大量破壊兵器やその計画の詳細一つ一つについて例をあげ、「証拠は一切ない」と証言しました。