2004年1月30日(金)「しんぶん赤旗」
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米英両国によるイラク戦争、占領への反対と在外米軍基地撤去のたたかいをテーマにした日本平和大会・国際シンポジウムが二十九日、沖縄の那覇市で開幕しました。米国、フランス、韓国、イラクからの五人のパネリスト、ゲストを含む約百五十人が参加し、イラク戦争に反対し世界中に広がった反戦運動の経験や米軍基地による被害とたたかいを交流しました。
フランス平和運動のイブ・ジャン・ギャラスさんは、世界全体に広がったイラク戦争反対の運動が今も継続されている重要性を指摘。労組、政党との共同が広がった経験にふれ、国際共同のいっそうの拡大を呼びかけました。
日本原水協の高草木博氏は、米国の先制攻撃政策が国際秩序を破壊したとして非難されるなど「顕著に破たんしている」と強調。「戦争を引き起こした側が道義的根拠、人々の信頼を失い、足場を掘り崩していることを直視すべきだ」と述べました。
イラクのバスラ教育病院がんセンターのジャワード・アル・アリ所長はイラク戦争で劣化ウラン弾が大量に使われ、子どもらにがんや先天性奇形などの影響が出ていることを指摘。米英軍の占領に反発し主権回復を求めるたたかいが強まっていると報告しました。
アメリカフレンズ奉仕委員会のジョセフ・ガーソン氏は米政権の世界戦略と米軍基地再編の狙いを報告。米国の横暴に対し米紙も「第二のスーパーパワー」と認める反戦運動が起きており、「共同の努力が最終的にはイラクからの米軍撤退につながる」と強調しました。
韓国の駐韓米軍犯罪根絶運動本部のコ・ユギョンさんは、ひき逃げ事件など在韓米軍による相次ぐ事故と住民無視で進められている軍再配置の実態を告発。「反基地運動の地球的次元の連帯が重要だ」と語りました。