2004年1月31日(土)「しんぶん赤旗」
イラク派兵承認案 強行採決 |
「ことの重大性がわかっているのか」「国民の命がかかっているんだぞ」。委員長席を守るように取り囲んだ与党議員に激しい批判と怒号−戦後日本の歩みを根本から覆すことになるイラクへの自衛隊派兵承認案を、自民、公明両党は三十日夕、衆院イラク特別委員会で質疑を一方的に打ち切り、強行採決しました。その後、午後十時半すぎから衆院予算委員会、財務金融委員会でも与党単独で補正予算案と関連法案の採決を強行。深夜、本会議を開催し、与党だけで三十一日未明の採決のために延会手続きを行いました。
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日本共産党は本会議と同時刻に代議士会を開き、志位和夫委員長が「わずかな審議でも、派兵の根拠はことごとく崩れ去った」と与党を糾弾。「引き続き国会内外のたたかいで派兵を中止させよう」と訴えました。
イラク派兵承認案は、憲法にかかわる重要案件のため、政府が国権の最高機関である国会に承認を求めたものです。にもかかわらず、与党が多数で一方的に審議を打ち切ることは、国会の審議権を乱暴にふみにじる暴挙です。陸上自衛隊先遣隊のズサンな調査報告の問題点と政府の虚偽答弁が次々と発覚。野党は派兵命令の前提そのものが崩れ去っており、審議は尽くされていないとして、徹底審議を求めました。
日本共産党、民主党、社民党の野党三党は、衆院イラク特別委での与党側の強行採決後、河野洋平議長に「採決は認められない」と申し入れ。その後、河野議長のあっせんで与野党国対委員長会談が断続的におこなわれましたが、与党側は予算委員会での若干の補充質問などを条件に同日中の採決に固執。予算委員会、財務金融委員会につづいて本会議でも強行採決しました。野党側は、与党の暴挙に抗議して、予算委、財務金融委、本会議を欠席しました。