2004年2月1日(日)「しんぶん赤旗」
生活保護などの公的扶助や借金の相談窓口など行政の多重債務者対策を充実させようと、弁護士、司法書士、消費者センター相談員らが三十一日、東京都内で集会を開きました。「行政の多重債務者対策を充実させる全国会議」(大橋悦子代表幹事)、全国ヤミ金融対策会議(宇都宮健児代表幹事)の主催。
大阪市の元自営業者(56)は、多重債務に陥り、家賃の滞納を理由に部屋をしめ出されたために路上生活となりながら、約三年間生活保護を受けられなかった経験を語りました。
「着替えもなければ、食べるお金もない」状態で同市内の区役所へ生活保護の申請にいきましたが、「『居住地が定まらないのは生活保護の対象外』の一本調子で、相手にされなかった」といいます。日払い三千円の仕事で食いつなぎ、昨年たまたま部屋を借りることができて三年越しで生活保護を受けられるようになりました。男性は「なんのための生活保護か」と話しました。
「ホームレス総合相談ネットワーク」の伊見真希司法書士は、路上生活者の法律相談百四十八件のうち、百十七件が借金の相談で、「低所得者が一社、二社の借金で、高金利によりあっという間に行き詰まっている」ことなどを報告。「低所得者が困った時、29・2%でニコニコと貸すサラ金ではなく、福祉にかけこむ行政にしてほしい」と強調しました。
全国ヤミ金融対策会議事務局長の木村裕二弁護士は「わずかな借り入れで多重債務になる例があとをたたず、行政の緊急融資が必要だとヤミ金融問題にとりくむなかで実感している」と話しました。