日本共産党

2004年2月2日(月)「しんぶん赤旗」

「強い米軍維持」へ軍拡予算

ブッシュ大統領が強調

きょう、教書提出 ミサイル防衛は13%増


 【ワシントン=浜谷浩司】ブッシュ米大統領は二日、ミサイル防衛をはじめとした大軍拡路線を盛り込んだ二〇〇五会計年度(二〇〇四年十月―〇五年九月)の予算教書を議会に提出します。

 「強力な米軍を維持し、いかなる課題にも備えていく」。ブッシュ大統領は一月三十一日、予算案の概要を公表した週末ラジオ演説の冒頭で、優先度の最も高い分野として、「対テロ戦争の勝利に必要な財源確保」を強調しました。

 来年度の軍事費は、今年度比7%増の約四千十七億ドル(約四十二兆六千億円)と見込まれます。とりわけ、二〇〇四年中に配備を開始するミサイル防衛は13%増と突出し、ブッシュ政権の力の入れ方を浮き彫りにしています。この軍事費には、補正予算で扱われることになるイラクやアフガニスタンでの戦費は含まれていません。

 ブッシュ大統領は一月二十日の一般教書演説では、財政赤字を「五年間で半減させる」と公言しており、軍拡路線を追求しながら「緊縮予算」を語るという矛盾に陥っています。

 二〇〇五年度の財政赤字は、議会や政府のこれまでの予想をも超える五千二百十億ドルにも達すると見込まれています。富裕層を優遇したブッシュ減税の恒久化など、歳入の落ち込みも続いています。

 赤字拡大の要因には、ブッシュ政権が着手した高齢者健康保険制度(メディケア)の改革もあがっています。新制度では、これまで保険が適用されていなかった薬代が、新たに保険対象となります。ところが、今後十年間のメディケア予算の見込み額は、わずか二カ月足らずの間に約33%、千三百四十億ドルも膨張。製薬会社の利益確保が優先されていることを示唆しています。

 与党・共和党にはもともと「小さい政府」を志向する傾向があり、とめどない財政赤字の拡大には、与党内でも批判が出ています。


イラク大量破壊兵器問題

米大統領、独立調査に同意

 【ワシントン=浜谷浩司】イラク戦争開戦時に大量破壊兵器が存在しなかった問題で、米紙ワシントン・ポスト一日付は、ブッシュ大統領が、イラク戦争に先立つ時期の米情報当局の活動に関して、独立機関による調査の実施に同意したと伝えました。

 独立機関による調査は、現地で捜索にあたったイラク調査グループのケイ前団長が、二十七日の上院軍事委員会の公聴会で主張したもの。同氏は、大量破壊兵器の存在を否定し、情報の誤りを指摘しました。

 ブッシュ政権は当初、こうした調査に反対していました。しかし、大統領選挙を前に、野党・民主党にとってブッシュ政権への格好の攻撃材料になり、また、共和党議員からも調査を求める声が出ていることなどから、態度を変えたものとみられます。


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