2004年2月3日(火)「しんぶん赤旗」
武力によらないイラク復興支援を――と、小泉総理大臣あての請願書を自分でつくって、五千三百人分の署名を集めた宮崎県三股町の今村歩さん(18)=高校三年生=が二日、内閣府に署名を届けました。
一人で署名を集め始めたのは昨年の十二月十日でした。ニュースをみるうち「復興のためといいながら軍隊によって毎日市民や子どもが殺されているのはイヤだ」と思い、「こぢんまりとした形であっても気持ちを表したかった」といいます。
請願事項には「平和的解決を目指し、各国軍隊撤退を呼びかけ、これ以上イラク国民を傷つけないよう、そして日本国民一人一人の安全に責任を持つべき一国の首相として、勇気ある行動をしてください」としるし、請願趣旨には次のように書きました。
「テロに反撃することがテロに屈しないことなのでしょうか。武力で対抗するのではなく…平和的解決こそイラクの国民を救うのに必要なことであり、小さな事でもめげずに復興を支援することこそテロに屈しないことなのではないでしょうか。私たちは憲法九条に誇りを持ち、暴力の連鎖を断ち切るため、平和的解決を願います」
署名をよびかける側になったのは初めてです。両親は心配しました。でも、「ニュースをみてため息をついている側でしたが、娘のいうように声をあげることはいいことかもしれないと思って」と、連れ添ってきたお母さんの理絵さん(44)。思わぬ反響に「若いエネルギーを感じた」とも。
署名は、友達や家族の知人にメールや郵送で依頼。口コミで他県にも広がりました。新聞で知った「イラク救援基金」代表の講演に出かけ、軍隊が人道支援の妨げになる実情も知りました。「署名した人のなかには、自衛隊派兵にはっきり反対でなくても、憲法九条を守って、武力によらない復興支援をしてほしいという人もいる。国益とか、アメリカとの関係でなく、イラクの国民を助けてほしい。そんな声を小泉首相に直接届けたかった」と話します。