日本共産党

2004年2月4日(水)「しんぶん赤旗」

天皇制を「容認」したか?


 〈問い〉 日本共産党は天皇制を「容認」したという人がいますが、どうなのですか。(東京・一読者)

 〈答え〉 日本共産党が第二十三回大会で改定した綱領について、天皇制を「容認」したとする報道が一部にみられますが、それは事実に反します。

 綱領は、いまの天皇制について、「党は、一人の個人が世襲で『国民統合』の象徴となるという現制度は、民主主義および人間の平等の原則と両立するものではなく」とその評価を明確にしています。そして今後についても「国民主権の原則の首尾一貫した展開のためには、民主共和制の政治体制の実現をはかるべきだとの立場に立つ」との方針を明示しています。

 しかし、現在の国民の多数はいまの天皇制の存在を肯定しています。この状態が変わって国民多数が廃止・解消の立場で合意しなければ、天皇制の改革は実現しません。天皇の制度の改革は、それ自体が憲法の改定を必要とする問題でもあります。

 綱領は、党の態度を示すこととあわせて、こうした現状をどのように変革するのかの方法も明らかにしています。

 当面は、天皇は「国政に関する権能を有しない」(第四条)などの、憲法の規定を厳格に守らせることです。反動派が進めてきた「天皇の政治利用」など「憲法の条項と精神からの逸脱を是正」します。日本国憲法は国民主権を明記し、国民代表たる国会を通じた変革を可能とする政治制度を定めています。あらゆる進歩を阻んだ戦前の絶対主義的天皇制とは違って、天皇の制度が残ったいまの憲法のもとでも、日本共産党がめざす民主的改革は可能です。

 日本共産党が、民主共和制への前進こそ社会進歩に合致するとの立場を、今後も大いに語ることは当然です。綱領はその解決の方法について、「天皇の制度は憲法上の制度であり、その存廃は、将来、情勢が熟したときに、国民の総意によって解決されるべきものである」と規定しています。(

 〔2004・2・4(水)〕


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