2004年2月4日(水)「しんぶん赤旗」
【ワシントン=浜谷浩司】ブッシュ米大統領は二日、イラクの旧フセイン政権が大量破壊兵器を保有しているとした米政府の情報分析の誤りを調査する超党派委員会の設置を表明しました。
大統領は閣議終了後の記者会見で、独立した超党派の委員会に「現状を分析し、反テロ戦争を進めるうえで何ができるか」を示すよう、求めるつもりだと述べました。
兵器捜索にあたった米調査団のケイ前団長が委員会設置を求めたことに対し、大統領は当初、反対の意向を示していました。しかし、民主党ばかりでなく、与党・共和党の有力議員らからも独立機関による調査を迫られるなか、転換を余儀なくされたものです。
イラクに大量破壊兵器が存在しなかったことは、ブッシュ政権があおりたてたイラクの「脅威」がうそだったと同時に、国連査察が有効だったことも意味しています。大統領に対する米国民の見方も厳しいものへと急激に変化しています。ただ、同委員会の調査が大統領選挙にマイナスとなるのを回避するため、大統領は調査を選挙後の二〇〇五年までとする意向です。