2004年2月5日(木)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の八田ひろ子議員は四日の参院予算委員会で、自衛隊のイラク派兵について赤嶺政賢議員が衆院で明るみに出した陸上自衛隊先遣隊の報告書原案ともいえる内部文書の問題を取り上げ追及しました。石破茂防衛庁長官は「指摘の文書にある時刻に、防衛庁運用課から外務省安全保障政策課に送った(ファクス)記録は残っている」と認めました。
同文書は「最新のイラク情勢と陸自派遣の調整状況等について(案)」と題するもの。政府がイラク南東部サマワに送った陸上自衛隊先遣隊に派兵に都合のいい内容を調査するよう指示した文書です。
八田氏は、防衛庁運用課と外務省安全保障政策課でやりとりした同文書に記されているファクスの送信時間によると、陸自先遣隊が現地で活動を始めた時には、すでに原案はできていたと指摘。同文書が、先遣隊にサマワ市評議会議長に「自衛隊歓迎」のコメントをとるよう指示していることを批判しました。
石破氏が「(同文書の存在を)確認できない」と述べたのに対し、八田氏は「ファクスの通信記録を調べたのか」と追及。石破氏は、どういうものを送信したかは確認できないとしつつ、送信記録が残っていることを認めました。
八田氏は、同文書がサマワを含むムサンナ州で占領軍への襲撃などが六件発生していると書いていることを指摘し、「数字を公表できないのか」と追及しました。石破氏は「公表できない」と答弁。八田氏は同文書も「公表不可」としていることを指摘し、文書の信ぴょう性は明らかだと強調。初めに派兵ありきの政府の姿勢を批判しました。
八田氏はまた、愛知県小牧基地から出動した航空自衛隊のC130輸送機は米軍物資や武装米兵を輸送するのか、米軍がテロ掃討作戦を展開しているイラク国内の空港にも輸送するのかと追及。石破氏は「排除するものではない」と認めました。八田氏は「占領の一翼を担う自衛隊の活動は憲法九条に真っ向から反する」と強調し、派兵中止を求めました。
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