2004年2月6日(金)「しんぶん赤旗」
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「イラクが大量破壊兵器を保有している」−小泉純一郎首相がイラク戦争を支持した最大の論拠がいま、米国でも英国でも崩れ始めています。日本共産党の宮本岳志議員は五日の参院イラク有事特別委員会で小泉首相に迫りました。
首相はイラク戦争を支持する根拠として、イラクの大量破壊兵器保有をあげていました。ところが一月二十六日の衆院予算委員会で日本共産党・穀田恵二議員の追及に、「未解決だということは事実だ。もっていないとも断定できない、もっているとも断定できない」と答弁しています。
宮本氏はあらためて、「大量破壊兵器を保有している」と断定した根拠を質問。首相は「イラクは過去、大量破壊兵器を保有し、使用した事実がある。イラクがもっていないことの立証責任を果たしていない。そういうことからもっていたと断定しても不思議ではない」とのべました。
宮本氏は「『不思議ではない』というのは、可能性があるということの論拠にはなっても、もっていると断定する根拠にはなりえない」と批判。「見解の相違だ」と開き直る首相に、宮本氏は迫ります。
宮本 あのとき国際社会はイラクに対して査察を続けていた。疑惑は払しょくされていないので、査察の継続で国際社会は異論はなかった。にもかかわらず、米国は「大量破壊兵器を保有」といって戦争に踏み切った。何の論拠があって、それを支持したのか。
首相 開戦を支持した根拠は、一連の国連決議にのっとっているからだ。
国連決議にはイラクが大量破壊兵器を保有していたとの「断定」はどこにもありません。「大量破壊兵器を保有している」ことを戦争支持の最大の根拠にしてきた首相が、国連決議を持ち出しても戦争支持の合理化はできません。
「そんなことをいっているのはあなただけだ」−宮本氏は、イラクの大量破壊兵器保有問題をめぐって、米英両国では根本的な見直しの論議が起きていることを指摘しました。
米国では、真相解明のための超党派の独立調査委員会を設置して、本格調査に踏み切ることになっています。英国でも調査委員会を設置する方向になっています。
宮本 「断定できない」などといって開き直っているのはあなただけだ。米国でも英国でも問われている。戦争を支持するにあたって断定したのだから、なぜ誤ったのか、明らかにする責任は首相自身にある。
首相 イラクはなぜ査察を妨害したのか。立証したら戦争にはならなかった。
結局、首相は開戦時に大量破壊兵器保有を断定した責任にはまったくふれずじまいでした。
宮本氏は「世界中がこの問題は調査する必要があるとなっている。あなただけが『問題ない』といっている」と指摘。「根拠をまったく示すことができない。誤りを認めようともしない。米英でさえ検証が必要だといっているのに、検討もしない。あまりにも無責任きわまりない態度だ」と批判しました。