2004年2月6日(金)「しんぶん赤旗」
答弁に窮したり、自分に不利なことがあると開き直って、「見解が違う」と議論を拒否するか、相手を中傷して言い逃れようとする小泉首相。五日の参院イラク特別委員会でも、この“得意技”が登場しました。日本共産党の宮本岳志議員の追及のときです。
「大量破壊兵器を保有していると断言して、イラク戦争支持の最大の論拠にしたが、その断言の根拠はなにか」。宮本氏の追及に、首相は“過去に使用した、もっていないと立証しなかった、だからもっていると断定しても不思議ではない”と、三点セットで逃れようとしました。
しかし、これは「(保有の)可能性があるという根拠にはなりえても、もっていると断言する根拠にはなり得ない」(宮本氏)もの。こういう疑惑があるから、国際社会は査察を続けたのだというたたみかけに、とうとう首相は「見解の相違だ」と言い出したのです。
痛いところをつかれたからでしょう。首相は「共産党はフセイン政権に味方するかのような議論だ」などと、声を張り上げました。この論法でいけば、イラク戦争支持に異を唱えるものはみな「フセインの味方」になってしまいます。
日本共産党がイラクにまで直接乗り込み、国連の査察受け入れを迫るなど、国連の査察継続による疑惑の解決を主張していた事実は、首相も国会で何度も聞いているはず。自分に都合の悪いことは隠し、レッテルを張って言い逃れようとする首相の態度は「理(ことわり)も誠(まこと)もない」という評がぴったりです。(藤)