2004年2月7日(土)「しんぶん赤旗」
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日本ペンクラブは六日夜、緊急集会「いま、戦争と平和を考える」を東京で開きました。五百人の参加で、会場は壁際まで立ち見でぎっしり。元自衛官の作家・浅田次郎さんが「私は自衛官でしたが、まったくの反戦主義者。軍隊を国の外に出してはいけないのは当たり前。みんなで反対していきましょう」と語ると、割れるような拍手がわきました。
一方、イラクを長年取材してきた写真家の森住卓さんが、劣化ウラン弾による無脳症の赤ちゃんの写真を映したときは、会場は静まりかえりました。
同クラブによる平和集会は〇一年末、昨年に続く三回目ですが、参加者は過去最高でした。
「日本には日本の行き方がある。国際社会はアメリカだけではない」(井上ひさし会長)、「安保条約をどうしていままで断ち切らなかったか不思議でならない。沈黙することで、アメリカの戦争にとり込まれていく」(加賀乙彦さん)と作家たちが口々に訴え。
最後に「自衛隊をイラクから撤退させるよう、強く要求する」とする同クラブの声明を発表し、「反対だけでなく、この集会は(行動する)ポジティブな方向にペンクラブが進む第一歩」(中西進副会長)、「イラク派兵は、地球という古里に軍隊を派遣するようなもの」(新井満さん)と公開記者会見を行いました。
今年、大学に進学する横浜市の女性(19)は「これまで戦争に反対とは思っていても、行動に踏み出せなかった。作家たちの意見をぜひ聞きたいと思って参加した」と語ります。千葉県の山崎克己さん(68)は「ペンクラブがまとまって声を上げたのがうれしい。世界に向けて働きかけていってほしい」と話していました。
日本ペンクラブ 国際ペンクラブの日本支部として一九三五年に結成され、文筆を通じて各国民の相互理解と表現の自由を守ることを目的としています。作家、編集者など文筆にかかわる人たちが参加し、会員は二千人を超えます。 |