2004年2月7日(土)「しんぶん赤旗」
【ワシントン=浜谷浩司】米国のブッシュ大統領とテネット中央情報局(CIA)長官は五日、米政権がイラク侵略戦争の口実とした大量破壊兵器が“見つかっていない”と発言、イラク戦争開始の口実が虚偽だったことを自ら認めました。
ブッシュ大統領は、サウスカロライナ州で行った演説で「イラクにあると思っていた備蓄兵器は、なお発見に至っていない」と述べました。
また、テネット長官はワシントン市内での演説で、この問題で初めて見解を表明。核兵器については「サダムが行っていた計画の進行を過大評価したかもしれない」、生物兵器は「イラクが生産を開始したかは確認していないし、発見もしていない」、さらに化学兵器については「兵器は発見に至っていない」などと述べました。
ブッシュ大統領は昨年の侵略戦争開始直前に「イラクは間違いなく大量破壊兵器を隠している」(二〇〇三年三月十七日)と述べ、大量破壊兵器の存在を主張していました。
レビン上院議員(民主)は六日、テネット演説について「脅威が迫っていると主張したのはブッシュ政権高官であり、国連を通じた国際社会の支持なしに、開戦を急ぐためだった」と述べました。